• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

近代日本文学・解放思想の「優生思想」問題に関する表象分析・比較思想史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21902010
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 国語・国文学
研究機関早稲田大学

研究代表者

辻 吉祥  早稲田大学, 文学学術院, 非常勤講師

研究期間 (年度) 2009
研究課題ステータス 完了 (2009年度)
配分額 *注記
530千円 (直接経費: 530千円)
2009年度: 530千円 (直接経費: 530千円)
キーワード優生学 / 平塚らいてう / 「青鞜」
研究概要

「近代日本文学・解放思想の「優生思想」問題に関する表象分析・比較思想史的研究」の課題のもと、近代文学および解放思想のはらむ優生学的思想基盤について検証する必要性があるとの問題意識にもとづき、その研究の一端としてまず前年度に引き続いて、日本における研究の極めて乏しい世紀転換期の英国思想家・オリーヴ・シュライナー、またその人が属した英国優生思想と社会主義、フェミニズムがつくる思想圏について、調査研究を行なった。
さらにこの研究は、周知のエレン・ケイ、合衆国のフェミニストにして小説家であるシャーロット・パーキンズ・ギルマンにまでおよび、ここから、日本におけるその影響、すなわち平塚らいてう、与謝野晶子、山田わか等をはじめとする『青鞜』メンバーたちや社会主義女性運動家・山川菊栄に与えた影響について、仔細な資料的検証が加えられることになった。平塚、与謝野らと、エレン・ケイ、シュライナー、ギルマンらの優生学的発想に関する細かな相互影響関係をめぐる検証は、従来、同時代の進化論/優生学に対して疑念なく進められた研究に再考を迫るものとなり、成果としてその実証的論文を、査読のある評価の高い学会誌に掲載することができた。(「母の時間の優生学--母性保護論争における平塚らいてうの「歴史」の超克」「日本近代文学」第82集、109~124頁)
また同研究者による博士学位請求論文も形となり、二年続けての本奨励研究は、当初の予定通り、近代日本文学と優生学の関係の問題の根深さと広がりを、確実に明るみに出すものとしてその一端が結実したといえる。今後のさらなる批判的な検証作業が、本研究を含めて行なわれる契機となれば、小さくはあれその意義は決して少なくなかったといえる。

報告書

(1件)
  • 2009 実績報告書

URL: 

公開日: 2009-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi