研究概要 |
創立以来75年余りの分校の歴史は,築島の文化や伝統の歴史でそのものでもあり,島内の分校が無くなることは,限界集落へのスパイラルに入った地域にとっては,非常に悩ましい問題であった。そのため分校の担ってきていた文化や伝統,精神的なつながりをはじめとする多面的な役割を,いかに島民主体のシステムにスライドさせていくかがとても重要であった。今後,間違いなく訪れる離島における限界集落での生活に備え,精神的な結束及び集団所属の意識を高めていくための取組を計画的に実践できたことは,非常に意義深い研究となった。 (1)全教育課程や日常生活の中で、故郷に対する誇りと自信を育て,生涯にわたって築島を愛する心を醸成するための取組(島民全員による分校環境整備,航空写真撮影・休校式・記念誌作成等)を行えたことで、児童の島への思いや自らの生き方を見つめ直すことができた。 (2)島に住む児童及び地域の住民の方々の生きる力を高めるという観点から,分校のもつ地域の教育・文化の牽引役としての責務,多面的な役割(文化・伝統・精神的な結束力を図るための)を「築島を語る会(計9回開催)」など通じて再度見つめ直し,可能な限り島民の手で運営できるよう次年度以降のビジョンを作り上げた。 (3)串間市立市木小学校築島分校の『創立75周年記念式典』及び『休校式(閉校式)』及び築島最大の行事『恵比須祭り』、『築島ここども祭り』等の大きな取組の核としながら,次年度を考慮し住民主体の運営をコンセプトに取り組み進めたことで,住民間の意識のつながりや協力体制の構築,新リーダーの育成にもつなげることができた。 *「休校式」「恵比須祭り」「築島こども祭り」の取り組みでは、TV放送計5回、新聞の記事では計7回、地域と分校の連携の取り組みをメディアを通して県民に紹介された。
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