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発達障害児の学習環境整備のための保護者と養護教諭への聞き取り調査

研究課題

研究課題/領域番号 21906015
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 教育学・教育社会学
研究機関愛知県立日進西高等学校

研究代表者

杉村 直美  愛知県立日進西高等学校, 養護教諭

研究期間 (年度) 2009
研究課題ステータス 完了 (2009年度)
配分額 *注記
590千円 (直接経費: 590千円)
2009年度: 590千円 (直接経費: 590千円)
キーワード発達障害 / 特別支援教育 / 学校文化
研究概要

<本研究の具体的内容>
本研究申請時には、発達障害児をとりまく保護者と学校の齟齬を解明するため、まずは保護者の「傷つき」の「物語」を明確にし、その上で養護教諭を中心とする学校関係者に聞き取り調査をする予定であった。しかし、発達障害「親の会」を通し現実に調査依頼をしたところ、「相談にのってくれるのならうれしいと思ったが、調査に使用されたくはない」「もう一回自分の傷をえぐることになりそうで、話したくはない」などの理由で、個人的な聞き取りを拒否する保護者が大半であった。結局「親の会」役員が「会としてうけた相談」のいくつかをエピソードとして提供してくれることになった。一方で、「障害学会」などに参加している当事者から「聞き取り許可」を得る機会に恵まれた。これらの話からは、学校における「傷つき」体験は、「なんらかの支援が欠けていた」/「支援が不適切であった」というような「特別支援」や「ケア」的行動の不足・不適切さよりも、むしろ学校教員のとる日常的な言動や思考形態-「教員文化」とよびうるもの-に起因することがうかがわれた。そこで、学校関係者へのききとりは、保護者と当事者の傷つき体験の中から代表的だと思われるものを選択し、そのときにその教員がとりうるであろう行動とその背景を聞き取ることとした。
<本研究の意義とその重要性>
保護者側・当事者側から提供される「語り」は「第三者」にとって、学校教員の言動の「心なさ」「発達障害に対する不勉強の証」として一般的に認知される可能性が高いものであった。しかしこの同じ言動が、教員側からも「心なさ」「不勉強」とみなされるケースは少なく、大多数の教員にとってその言動は「学校秩序」を維持するためにも「正統な言動」と評価されるものであることが明確になった。
本研究の意義は、こうした保護者・当事者と教員との「すれちがい」/「異相」を明確にできたことにある。さらに両者の「語り」から、その「異相」をうめる現実的な方法論と今後の課題を明確にできた点が、重要である。

報告書

(1件)
  • 2009 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 学校で大切なこととは2010

    • 著者名/発表者名
      杉村直美
    • 雑誌名

      人権21・調査と研究 205

      ページ: 74-81

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 書評「LLブックを学校へ!」藤澤和子他『LLブックを届ける』読書工房2009

    • 著者名/発表者名
      すぎむら なおみ
    • 雑誌名

      社会言語学 9

      ページ: 299-310

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] ユニバーサルデザインと「ふつう」であること2009

    • 著者名/発表者名
      杉村直美
    • 雑誌名

      人権21・調査と研究 202

      ページ: 77-84

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「タブー」くずし2009

    • 著者名/発表者名
      杉村直美
    • 雑誌名

      人権21・調査と研究 203

      ページ: 67-75

    • NAID

      40016926905

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 学校文化と特別支援教育2009

    • 著者名/発表者名
      杉村直美
    • 学会等名
      障害学会
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      2009-09-26
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] 発達障害チッェックシートの有効性の検討~学校生活に困難をかかえる生徒支援のために~2009

    • 著者名/発表者名
      杉村直美
    • 学会等名
      日本教育社会学会
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      2009-09-12
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] 「障害学」の知見からみる「特別支援」2009

    • 著者名/発表者名
      杉村直美
    • 学会等名
      東海学校保健学会
    • 発表場所
      愛知学院大学
    • 年月日
      2009-09-05
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] 発達障害的傾向をもつ生徒への学校教員の対応~保護者の視点から~2009

    • 著者名/発表者名
      杉村直美
    • 学会等名
      中部教育学会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2009-06-27
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [図書] 発達障害チェックシートできました-がっこうのまいにちをゆらす・ずらす・つくる-2010

    • 著者名/発表者名
      すぎむらなおみ+「しーとん」
    • 総ページ数
      200
    • 出版者
      生活書院
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書

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公開日: 2009-04-01   更新日: 2016-04-21  

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