研究成果 1内容 本来、理科が持っている「探究のおもしろさ・たのしさ」を授業の中で生徒に実感させ、理科学習に対する生徒の興味・関心を高め、学習意欲を引き出すことを目的としたカリキュラムを作成し、「総合的な学習の時間」を活用した「総合理科」と題して実施した。その内容は「探究的な学習」で、次の6段階で構成されている。(1)目の前の科学的な現象に触れる。(2)そこにかくされている疑問点や問題(課題)を発見する。(課題発見)(3)グループで疑問や問題(課題)を解決するための仮説を立てる。(4)仮説を検証するための実験を想定する。(4)で想定した実験を実際にやってみる。(仮説検証実験)(5)実験・観察の結果を考察する。(6)グループで話し合い、結論を出す。(新たな疑問、課題が生じたら、さらに同様な手順で問題解決を図る。)この6段階の中で、(1)から(3)は、仮説樹立までのプロセスであり、(4)から(6)は、検証、考察、結論までのプロセスである。前者は、かなりの時間が必要であり、そのプロセスの中で、自由気ままな試行錯誤や、誤概念の導入が有効である。後者は、グループ内でのコミュニケーションが充分に図られることが重要であり、活発な意見を出し合うためには、4人グループがやりやすいことが確かめられた。年度末に実施したアンケートは、生徒の意欲・関心がこの取組で向上したこと表している。 2意義 PISA調査等の国際比較で明らかになった課題(例えば、科学的な疑問を認識する能力や現象を科学的に説明する能力、科学的証拠を用いる能力等、いわゆる科学的リテラシーの伸張)をいかに克服していくかが重要である。そのためには、「生徒自らが、身の回りの世界から疑問を見いだし、関連する知識を適応させながら実験等を思考し、実施し、結果から考えられることを解釈したり、導いた結論を的確に表現・発表したりする」、いわゆる探究的な学習」が重要であり、研究する意義がある。
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