• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

中高一貫校の理科学習におけるモバイルラーニングシステムの導入とその学習効果の測定

研究課題

研究課題/領域番号 21908024
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 教科教育学Ⅱ(理科系)
研究機関立教新座中学校・高等学校

研究代表者

林 壮一  立教新座中学校・高等学校, 教諭

研究期間 (年度) 2009
研究課題ステータス 完了 (2009年度)
配分額 *注記
580千円 (直接経費: 580千円)
2009年度: 580千円 (直接経費: 580千円)
キーワードデジタル教材 / 理科教育 / ネットブック
研究概要

本研究の目的は次の2点である。(1)安価な可搬型ノートパソコンであるNetBookとサーバー用ノートパソコンを無線LANで接続してネットワーク(モバイルラーニングシステムMobileLearningSystem)を構築し,(2)中学校・高等学校の理科の実験・授業の中でパソコンを活用した授業(実験群)とそうでない場合(統制群)とで学習効果を比較し,デジタル教材の有効性を検証することである。
(1)については,サーバーパソコンの設定,アンテナの設定など,ネットワーク構築のために必要とされる基礎知識は少なくなく,サーバーの構築は容易ではなかった。しかし,外部に接続されていないネットワークは,授業管理/教場管理をする上では非常に有効であった。ただし,OSに標準搭載されるゲーム類などの削除も必要であり,その一方でパソコンに詳しい生徒(中学生)の悪戯防止についてはさらに一考が必要であった。今後,更にコンピュータを学校の授業に導入する場合には,OS標準のゲーム,画面の設定など生徒が容易に変更できないシステムが必要であると思われる。
(2)については,中学生でも高校生でもデジタル教材を利用することによって,教科書に記述されていないより発展的な内容に気づかせたり,学習の質を向上させたりするのに有効であることが確認できた。しかしその一方で,デジタル教材を導入した授業が普及しにくい理由の一端も垣間見ることができた。特に,通常の教材を用いた授業展開とデジタル教材を用いた授業展開とが異なる場合には,授業で想定している展開の順番とデジタル教材の中での順番とが異なっていると,授業者はデジタル教材を利用することによって生徒が何をどのように理解したかを把握できなくなり,結果的にデジタルコンテンツが授業者の「授業に対する意図」を妨げてしまうからである,と考えられた。実際に行った授業では,統制群で授業の展開に沿って理解が進むのに対し,実験群では授業の展開に沿わない形で理解が進んでいくことが確認された。しかし,知識の定着を両群間で比較(大地のつくり,運動の法則,音の性質,静電気,等の4つの単元)したが,どの単元でも有意な差は見られなかった。
以上のことから,教材が比較的小さな単元ごとにまとまっているデジタル教材が使いやすいことや,サーバーやパソコン内にコンテンツがあれば,インターネットとの接続は必須ではないことなどが確認できた。今後は,選択授業や探求学習などの発展的な学習で,どのようにデジタル教材を利活用することが学習者の意欲を高めることになるのか,また,どのようなICT機器を学習のどの場面でどのように活用することが学習者の意欲や知識の定着に有効なのか等,調べていく予定である。

報告書

(1件)
  • 2009 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 中学校・高等学校「物理」分野におけるデジタル教材を利活用した授業の実践2010

    • 著者名/発表者名
      林壮一/島野誠大
    • 学会等名
      日本物理学会全国大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2010-03-21
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] 中学校高等学校「物理」分野におけるデジタルコンテンツを利用した授業の実践例2010

    • 著者名/発表者名
      林壮一(体調不良で発表はキャンセル)
    • 学会等名
      財団法人コンピュータ教育開発センター(CEC)平成21年度「教育の情報化」推進フォーラム
    • 発表場所
      東京国際交流館プラザ平成
    • 年月日
      2010-03-12
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [図書] デジタル教材で理科が変わる新学習指導要領完全対応 授業づくり事例集2010

    • 著者名/発表者名
      中川一史/村井万寿夫(編著)執筆者:林壮一, 他9名
    • 総ページ数
      168
    • 出版者
      株式会社 ぎょうせい
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書

URL: 

公開日: 2009-04-01   更新日: 2020-05-15  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi