近年、科学離れと同様に、ものづくり離れが社会問題となっている。ものづくり教育を推進するには、学生や若者が、それまでどのようなものづくりの環境に触れて育ってきているかが重要である。本研究の目的は、インストラクショナルデザインの手法を取り入れ、科学教育の入り口にある小学生を対象に、ものづくり体験教材を企画し、開発を行うことである。 インストラクショナルデザインプロセスに基づき、以下のように、計画、実施した。 (1)ニーズ調査・初期分析(Analyze) 学習対象者を、石川県羽咋市少年少女発明クラブ(小学3~4年生対象、31名)とし、7月にアンケート調査を実施した。(アンケート回答者20名)小学理科での実験用工作がそのまま電子工作の経験となる事例が多かった。また、自宅で電子工作を行ったことがある児童は1名であった。実施希望の最も多かった光る工作について教材を企画、開発することにした。 (2)設計(Design)、開発(Development) 小学理科の電気の単元で学ぶ目標の一つである、電気の通り道が理解できることを本教材の学習目標とした。実施時期が12月中旬であったため、テーマを「クリスマス」とし、照明用として多用されるようになったLEDを取り上げることにした。 (3)実装・実施(Implement) 羽咋市少年少女発明クラブの12月月例活動として、ものづくり体験教室「クリスマス電子工作」を実施した。(平成21年12月19日(土)13時30分~15時30分、参加者25名) (4)評価(Evaluate) ものづくり体験教室を実施後、アンケート調査を実施した。設定した学習目標は96%が達成した。得られた経過と成果を、平成21年度実験実習技術研究会(平成22年3月5日:琉球大学)に発表した。平成22年12月18日に同様のものづくり体験教室を継続実施予定である。
|