【研究目的】実際に触れて感じられるユーザインタフェイスを各種センサ等で構成した、フィジカルコンピューティングが近年注目されている。ものづくりのプロセスの中で、早い段階で実際に動作するプロトタイプを素早く製作-評価するサイクルを繰り返して行うことは非常に重要であり、本研究では次の時代を担う高専学生が自ら様々なセンサを有する無線ノード(Zigbeeモジュール)を用いた演習を通じてコンピュータ活用の自由度を向上させ創造の楽しさにつなげることを目的とし、どのように実現可能であるか開発研究を行う。 【研究方法】1.複数のI/OモジュールとActionScript3/Processingを組み合わせた、プロトタイピング用オープンソースハードウェアを製作し、電気・電子工学系でない学生でも容易に有線・無線接続でデバイスのデザインを行える環境の実現を行う。 2.環境負荷やコスト抑制を目的として各種センサを設置し、多点情報の収集・可視化、太陽電池を併用した省電力化等、センサネット適用効果に関する実験を行う。 【研究成果】センサやLCD等複数のI/Oモジュールを接続できるオープンソースハードウェアと無線ノード拡張基板を製作し高専学生に提供することで、プログラミングの容易さに学生自ら興味を持ち、NHKロボコン(09全国出場)の自動ロボットや卒業研究(手に着目したセンサネットワークシステムとの連携によるインタラクションの検討)へと発展し効果をあげることができた。Zigbeeの情報収集能力・センサネットワークトポロジによる有効性を確認し、省電力化に関連するデータを得ることができた。小型化などの課題については一層研究が必要であると考えている。製作した基板回路図・ボード図、修正ライブラリ等は備考欄URLにて公開している。
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