• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

尿中コルチゾール/17-OHCS比による偽アルドステロン症の評価

研究課題

研究課題/領域番号 21928011
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 薬学Ⅲ
研究機関筑波大学

研究代表者

嶋田 沙織  筑波大学, 附属病院・薬剤部, 薬剤師

研究期間 (年度) 2009
研究課題ステータス 完了 (2009年度)
配分額 *注記
510千円 (直接経費: 510千円)
2009年度: 510千円 (直接経費: 510千円)
キーワード17-OHCS / グリチルリチン / 偽アルドステロン症
研究概要

研究目的:グリチルリチン(GL)は甘草の主成分であり、腎臓や肝臓におけるコルチゾール(F)の代謝酵素を阻害し、偽アルドステロン症を誘発する。これまで、代謝酵素の活性変動はGLを投与した場合の尿中F上昇やF代謝物の測定によって評価されてきたが、尿中F測定では副腎皮質からのF分泌が影響するため代謝酵素阻害活性のみを評価できず、またF代謝物は一般の臨床検査では測定されないという問題があった。17-OHCSはFを含む副腎皮質由来のステロイドであり、副腎皮質からのF分泌を反映する。副腎からのF分泌を17-OHCSで補正した尿中F/17-OHCS比は、GLによるF代謝阻害の程度を示すと考えられ、偽アルドステロン症の評価へ利用できると考えられる。そこで、健康成人を対象にGL含有量の多い芍薬甘草湯の投与試験を行い、尿中F/17-OHCS比の変動について調査し、さらにGL含有漢方薬服用患者において尿中F/17-OHCS比の有用性を検討した。
研究方法:同意を得た6名の健常者を対象として投与試験を行った。1日目に24時間蓄尿を行い、2日目より芍薬甘草湯を7.5g/日で2日間服用した。3日目に再び24時間蓄尿を行い、芍薬甘草湯投与前後の尿中カリウム(K)、F及び17-OHCSを測定した。併せて、芍薬甘草湯を連用している患者の尿中F/17-OHCSを調査した。
研究成果:芍薬甘草湯投与試験において、投与前に比べて投与後には尿中Kが有意に上昇しており、Kの排泄が亢進していることを確認した。有薬甘草湯投与により尿中Fは有意に上昇したが、尿中17-OHCSに変動は認められなかった。尿中F/17-OHCS比は芍薬甘草湯投与により有意に上昇した。よって、芍薬甘草湯投与による尿中Fの上昇は、副腎からのF分泌上昇ではなく、腎臓や肝臓におけるF代謝阻害によると考えられた。また、芍薬甘草湯を連用している患者の尿中F/17-OHCS比は13.7と、健康成人での値より高く、芍薬甘草湯の長期連用がより強力にF代謝を阻害し、偽アルドステロン症のリスクを高めると考えられた。
以上の結果より、尿中F/17-OHCS比はGLによるF代謝阻害の評価に利用できると考えられた。

報告書

(1件)
  • 2009 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Change in urinary cortisol/17-OHCS ratio in healthy subjects after administration of Shakuyaku-kanzo-To2009

    • 著者名/発表者名
      嶋田沙織
    • 学会等名
      第3回次世代を担う若手医療薬科学シンポジウム
    • 発表場所
      博多
    • 年月日
      2009-11-15
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] 血清カリウム値に及ぼす抑肝散投与の影響2009

    • 著者名/発表者名
      嶋田沙織
    • 学会等名
      日本東洋医学会関東甲信越支部第17回茨城県部会学術集会
    • 発表場所
      つくば
    • 年月日
      2009-11-08
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書

URL: 

公開日: 2009-04-01   更新日: 2020-05-15  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi