研究概要 |
生態学的影響に関する学生の知識レベルを調査し,講義によるその変化を評価し,日本とガーナの小学校・中学校・高校の生徒と大学の学生に対して比較調査することを目的とした. 調査の方法は,1)食肉生産が森林伐採と気候変動の課程に与える影響について事前調査を行い,2)事前調査のあとに,生態学的持続性(EcoS : ecological sustainability)について講義を行うことによって彼らの気づきを促し,3)事後調査として,それらに対する姿勢と認識がどの様に変化するかを再び評価した. 調査の結果、食肉生産の生態学的影響(森林伐採と気候変動の課程に与える影響)についての知識が顕著に増加し,使うことの出来る基本的な生態学的用語や概念,また,社会的な活動についての理解も深まったことが示された.講義の後には,回答者が持続不可能な行動をとろうとする意志の少なくとも一部は減少した.テレビや雑誌などのメディアは生態学的知識の情報源としては,一般的に低かった.ガーナ人は,蛋白源は魚が多く,その次に鶏肉,豚肉,そして牛肉の順番となった.日本人の蛋白源は,肉が多かった.年齢が低いと牛肉を食べ,年齢が上がるに従って鳥の割合が増加し,豚は3番目だった. テレビや雑誌,インターネットなどのメディアは生態学的知識をもっと増やすことが必要であることが示唆された.草の根レベルでの小学校から大学までの教育の中に持続可能な開発のための教育・持続発展教育(ESD : education for sustainable development)の文脈でのEcoSに関する知識の増加がのぞまれた.
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