研究課題/領域番号 |
21H00576
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
片山 剛 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 招へい教授 (30145099)
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研究分担者 |
小林 茂 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 名誉教授 (30087150)
大坪 慶之 三重大学, 教育学部, 教授 (30573290)
稲田 清一 甲南大学, 文学部, 教授 (60221777)
山本 一 立命館大学, 文学部, 講師 (00748973)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 東洋史 / 南京と上海 / 土地制度 / 租界外部 / 占領地統治 / 日中戦争期 / 上海 / 新敵産 / 租界 / 南京 / 不動産 / 不在地主・家主 / 日本人商店 / 家主不在家屋 / 地理空間情報 |
研究開始時の研究の概要 |
日中戦争の初期、1937年夏~秋、戦禍を避けるために南京から多くの「富裕な人々」が疎開していった。そして南京の建物の多くが損壊・焼失した。 本課題では第一に、日本占領下の南京で、生活・生産に不可欠な建物は十分に供給されていたかを考察する。また疎開した人々のなかには、南京で相応の資産を有し、土地・建物を所有する者が含まれていた。そこで第二に、疎開した者のうち、建物を修復・再建する資力を有する人々はどのくらい南京に戻ったか、これも考察する。これらの考察を、土地登記文書、地籍図、空中写真等を用いて視覚的に行い、日本による占領地統治の内実を学術的に考察・評価するための新たな物差しを提供する。
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研究成果の概要 |
近代上海では外国人が土地の永租権を有していた。そして租界内と同様に、租界外にも、次の特色ある土地制度が存在していた。それは、中国人が外国人(特に英米人)に土地の永租を依頼し、外国人は名目的に永租するが、「権柄単」という信託証書を中国人に交付することで、事実上は中国人が土地を所有する、というものである。 蒋介石の国民政府は1930年代に、租界外の上記制度を廃止しようとしたが、実現できなかった。しかし1942年11月、上海を占領していた日本陸海軍は布告を出し、租界外の上記制度を廃止した。上記制度の廃止が、蒋介石政府と日本の占領統治にとって共通する政策であったことは新たな興味深い事実である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近代上海において、外国人が有する土地の永租権(所有権とほぼ同じ)が知られている。また永租権をもたない中国人が、外国人に名義貸しを依頼し、名目上は外国人の永租地とするが、その外国人が「権柄単」という信託証書を中国人に発行することで、事実上は中国人がその土地を所有するという「仮装的永租権制度」も存在していた。そしてこれらの制度や実態については、租界内部を対象に研究されてきた。 しかし、租界外部における永租権制度や「仮装的永租権制度」についてはほとんど研究されてこなかった。本課題では租界外部に注目し、これら制度に対して、日本軍が占領地政策として行った改革を初めて検討した。
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