研究課題/領域番号 |
21H00588
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高瀬 克範 北海道大学, 文学研究院, 教授 (00347254)
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研究分担者 |
大河内 直彦 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門, 部門長 (00281832)
西田 義憲 北海道大学, 理学研究院, 研究院研究員 (10281841)
澤藤 匠 (蔦谷匠) 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 助教 (80758813)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 北海道 / 出土動物骨 / 同位体分析 / DNA分析 / 歴史生態学 / 遺跡 / 海洋生産性 / マダラ / キタオットセイ / 動物遺存体 / 同位体比分析 / 古代DNA分析 / 人口変動 |
研究開始時の研究の概要 |
先史時代の日本列島では,人口が大きく変動していた。一方で,現代の私たちも経験しているように,海の資源量も必ずしも一定ではない。この研究では,過去7000年間に生じた海の豊かさの変化が人類に与えた影響を,考古学的な遺跡から出土した動物の骨の理化学的な分析を通して考察する。対象地域である北海道では,人々が先史時代から一貫して海産物に高く依存していたことが判明しており,研究目的にかなったフィールドである。これまで,遺跡出土資料は人類の過去を明らかにするための情報源とされてきたが,この研究によって動物や生態系の歴史解明にも活用できることが示されることで,文化財の新たな価値が掘り起こされると期待される。
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研究実績の概要 |
感染症感染拡大にともなう行動制限により2021年度は予定していたサンプルの採取が十分にできなかったが,2022年はそうした制約が大幅に低下したため,2021年度に採取できなかったサンプル採取を2022年予定分と合わせて実施した。これにより,本プロジェクトで必要となるサンプルは,概ねすべてを採取することができた。 2022年のサンプル採取対象は,貝取澗2洞窟(せたな町),トーサムポロ湖周辺竪穴群・弁天島(根室市),青苗貝塚・青苗砂丘(奥尻町),天寧1(釧路町),東釧路貝塚・幣舞(釧路市),大川(余市町),ホロベツ砂丘・枝幸港(枝幸港)の11遺跡である。これらの遺跡から出土した鰭脚類,マダラ,貝類について,計198個のサンプルを確保することができた。 また,動物骨のコラーゲン抽出方法が,同位体分析や年代測定にどのような影響を与えるかについての検証も行った。具体的には,2021年度に実施した海獣骨の同位体分析や放射性炭素年代測定においては,アルカリによる洗浄後に酸による脱灰を行ったうえでコラーゲン抽出を実施した。2022年においては,同じ海獣骨からサンプルを再採取したうえで,前年度とは逆に酸による脱灰後にアルカリによる洗浄を行ってコラーゲンを抽出し,窒素・炭素・酸素安定同位体と放射性炭素年代を再測定した。このようなコラーゲン抽出方法の違いが分析結果に与える影響は,本研究の分担者が魚骨を用いてすでに行っている。しかし,動物骨についてはこれまで詳しい研究例がないため,基礎的な研究として貴重な実践例になると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は,行動制限のため予定していたサンプリングの大半が実施できなかったが,2022年度にその遅れを取り戻すことができた。本プロジェクトで必要なサンプルは概ね採取することができたため,次年度以降はそれらの分析に集中することができる。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度までに採取したキタオットセイ,ニホンアシカ,マダラ,貝類の窒素・炭素・酸素同位体分析およびDNA分析を実施し,一部の試料については年代測定も実施する。これにより,北海道の沿岸で時期・地域によって海洋生産性や鰭脚類・大型魚類の集団構造に差がみられるかどうかを検討する。また,海洋生産性の低下が疑われる時期があれば,古環境の研究成果や考古学的な人口変動とも対比し,将来的に因果関係の検討ができるようにまずは相関性について検討する。方法論的な課題として,異なる骨コラーゲンの抽出方法が同位体分析や年代測定にあたえる影響を評価する基礎的な研究も実施する。
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