研究課題/領域番号 |
21H00595
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
村上 恭通 愛媛大学, アジア古代産業考古学研究センター, 教授 (40239504)
|
研究分担者 |
郭 新宇 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (10322273)
小畑 弘己 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (80274679)
國木田 大 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (00549561)
福永 将大 九州大学, 総合研究博物館, 助教 (50847093)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 瀬戸内海島嶼部 / 宮ノ浦遺跡 / 縄文時代草創期末~早期初頭 / 縄文海進 / 海岸線復元 / 縄文時代早期押型文土器前段階 / 地形復元 / 環境復元 / 押型文土器前段階 / 縄文時代押型文土器前 / 環境 |
研究開始時の研究の概要 |
芸予諸島北部の愛媛県上島町佐島の宮ノ浦遺跡の発掘調査において、押型文土器前の拠糸文土器が発見され、西部瀬戸内島嶼部で最古の縄文土器であることがわかった。同時に、この土器の段階は瀬戸内海の形成前に当たる可能性が高い。本研究は宮ノ浦遺跡の発掘調査を通じて縄文海進以前の物質文化を解明し、同時に後氷期の当該地域における経時的地形変化や環境変化のなかに宮ノ浦遺跡を位置づけ、内海形成前の縄文文化研究を拓く。
|
研究成果の概要 |
芸予諸島東北部に位置する上島町佐島所在の宮ノ浦遺跡において、縄文時代の包含層であるⅣ層が発見された。上層のⅣ-1層が縄文時代前期~後期の土器を含み、下層のⅣ-2層は隆帯文土器、刺突文土器、無文土器、撚糸文土器を含む。撚糸文土器はⅣ-2層上部で出土し、それ以外は中層以下で出土する。押型文土器も全く含まないことから、Ⅳ-2層の土器が縄文草創期から早期初頭にかけての土器であり、海進前の縄文土器であることが明らかになった。芸予諸島最古の縄文土器であるとともに、瀬戸内に海のない段階の縄文土器であることがわかった。各種ボーリング調査を含めた地形調査を実施し、縄文海進前後の地形環境の変化も明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
芸予諸島だけでなく、瀬戸内海島嶼部で初めてとなる縄文草創期の土器であり、海のない時代の瀬戸内の縄文土器という点で新たな論点を提起した。隆帯文土器、刺突文土器、無文土器の年代的序列に関しては今後の検討課題であるものの、西日本における比較論において島嶼部への注意を喚起する資料である。同時に、多くの場合、地山層として掘り下げることがなかった花崗岩の砂礫層からの遺物検出であることから、今後の島嶼部での発掘調査に対して指針を与える研究ともいえよう。また「海のない瀬戸内」の景観は容易に想像できないがために一般の方々にも刺激的であり、社会的意義が高い。
|