研究課題/領域番号 |
21H00598
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
有村 誠 東海大学, 文学部, 教授 (90450212)
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研究分担者 |
丹野 研一 龍谷大学, 文学部, 准教授 (10419864)
千本 真生 (財)古代オリエント博物館, 研究部, 研究員 (10772105)
本郷 一美 総合研究大学院大学, 統合進化科学研究センター, 准教授 (20303919)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | コーカサス / アルメニア / 初期農耕 / 中石器 / 銅石器 / 完新世初頭 / 新石器化 |
研究開始時の研究の概要 |
ムギと四大家畜を主体とする初期農耕は、新石器時代に西アジアで誕生し、その後、ユーラシア全域に拡散した。北方へ拡散する過程で、初期農耕は冷涼・寒冷な気候へ適応(北方適応)したと考えられる。初期農耕の北方適応が最初に起こった地と考えられるのが、アルメニア高地である。本研究は、アルメニアにおいて中石器~銅石器時代に帰属する遺跡で発掘調査を実施し、初期農耕の北方適応(北方進化)の事例を検証することで、西アジア全体の農耕起源論の再構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、アルメニアの完新世初頭から中期(中石器時代~銅石器時代:約前8000~5000年)に位置づけられる先史時代遺跡で発掘調査を実施し、得られた考古資料の分析を通して、コーカサスに定着した初期農耕の実態の解明を目指すことを目的とする。初年度である2021年度には、新型コロナウィルスの感染拡大により、予定していたレルナゴーグ遺跡の発掘調査を延期せざるを得なくなった。代わりに、2021年度に行った主な研究項目ならびにその成果は以下の通りである。 (1)考古資料の分析の継続:レルナゴーグ遺跡をはじめ、これまでに発掘を実施してきたアルメニアの完新世初頭遺跡の調査報告をまとめるために、データの整理・分析を継続した。また、日本国内にサンプルとして持ち帰った黒曜石石器や土器については、産地同定や胎土分析などを試験的に開始した。 (2)アルメニア人共同研究者とのオンライン会合:プロジェクトの進捗状況や課題について、情報共有や意見交換を目的として、アルメニアの共同研究者とのオンライン会合を行った。その結果、ソビエト時代の学史のレビューや最近の調査成果のまとめを行うことができ、その内容は、Petrosyan et al. 2021 "A Step Forward to the Neolithization: Early Holocene Sites of the Republic of Armenia"として公表することができた。他方、コロナ禍においても、アルメニア人共同研究者は現地調査(踏査)を継続しており、本プロジェクトがターゲットとする完新世初頭から中期に帰属する遺跡が新たにいくつか発見された。その中でも、本プロジェクトで今後、発掘調査を実施すべきは、厚い堆積層をもつと推測されるハンジャン・ブルール(Khanjan Blur)であることを会合を通じて確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大のために海外渡航が自粛となり、研究課題の中心であるアルメニアでの発掘調査が延期となり、予定していた初年度の現地調査を行うことができなかった。そのため、分析に供する考古資料を新たに得られず、研究全体に遅れが生じた。しかし一方で、これまでの発掘調査で得られた未整理のデータの分析や、ソビエト時代の研究史のレビューを十分にすすめることができ、研究期間全体でみれば、さほど大きな遅れではない。
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今後の研究の推進方策 |
今後もコロナウィルスの感染状況によっては、本研究課題に関わる日本人研究者がアルメニアに渡航できず、現地調査を実施することが困難な状況が予測される。一方、アルメニア人共同研究者による現地調査は実施可能なので、もし今後も日本人研究者が現地への渡航が不可能な状態になった場合には、オンライン会合などを通じて遠隔で調査を実施したり、出土資料を日本へ移送して、分析を行うなどの対策も検討していきたい。
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