研究課題/領域番号 |
21H00600
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
石川 日出志 明治大学, 文学部, 専任教授 (40159702)
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研究分担者 |
中村 大介 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (40403480)
橋本 裕行 奈良県立橿原考古学研究所, その他部局等, 特別研究員 (80270776)
山本 孝文 日本大学, 文理学部, 教授 (40508735)
石黒 ひさ子 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (30445861)
高橋 浩二 富山大学, 学術研究部人文科学系, 教授 (10322108)
豊島 直博 奈良大学, 文学部, 教授 (90304287)
田村 朋美 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (10570129)
谷澤 亜里 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (50749471)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 璽印 / ガラス / 鉄器 / 西暦1~3世紀 / 日本列島 / 東アジア / 広域交流 / 西暦1~3世紀 |
研究開始時の研究の概要 |
西暦1~3世紀(弥生時代後期)は,日本列島の倭人社会が東アジアの歴史世界の中枢に直接関与し始める段階にあたる。列島各地の農耕社会が,1世紀のしぼみ現象を経て,2世紀には地域間の広域交流が顕著となり,次の古墳時代社会形成への道筋が急速に整備された。 本研究では,こうした日本列島内の地域間関係の編成過程と,東アジアとの連携の形成過程を分析する。従来,列島内の地域間関係は土器の流通と墓制から,東アジア世界との関係は銅鏡などから分析されてきた。しかし,両者間には大きな空隙があることを問題ととらえ,璽印・ガラス・鉄器の広域分布の分析により,その重層性と特質を描きだす。
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研究成果の概要 |
本研究は、璽印・ガラス・鉄器からみた西暦1~3世紀日本列島・東アジアの広域交流を重層的に描き出すものである。璽印は、漢魏晋代に各王朝から周辺諸族に対して称号とともに政策的に授与された外交を実証する文物である。ここでは亀鈕・駝鈕・蛇鈕を型式学的に分析することにより、前漢末から後漢初期に王朝内の官僚制度と周辺諸族に対する政策が整備されることを描き出した。ガラス製品の蛍光X線分析では、中国南部と北方草原地帯の二方面から日本列島にガラス製品と素材が流通したことを確認した。前漢以来の上位層における鉄製武器副葬も朝鮮半島・日本列島に広まる。これらを外交から物流まで重層的に理解するよう努めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
弥生時代中期末から後期における、中国の漢~魏代や朝鮮半島との外交や広域的物流の研究には一定の蓄積がある。しかし考古学分野では、外交は漢魏鏡による研究がもっぱらで、外交を正面から論じるのは困難であった。本研究では、璽印の亀鈕・駝鈕・蛇鈕の型式学により、前漢末から後漢初期に官僚制度と周辺諸族への外交政策が整備される状況を描き出した。また、ガラス装身具は東南アジア方面から招来されたという説があるが、本研究の蛍光X線分析により、その素材は中国南部と北方草原地帯から日本列島にもたらされたことを解明した。鉄製武器の副葬習俗も前漢方式が朝鮮半島と日本列島に波及する。これらを重層的に理解する必要がある。
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