研究課題/領域番号 |
21H00615
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
那須 浩郎 岡山理科大学, 基盤教育センター, 准教授 (60390704)
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研究分担者 |
大田 竜也 総合研究大学院大学, 統合進化科学研究センター, 准教授 (30322100)
中山 誠二 帝京大学, 付置研究所, 教授 (60574142)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | ドメスティケーション / ダイズ / アズキ / 休眠性 / 裂莢性 |
研究開始時の研究の概要 |
ダイズとアズキは中国起源で弥生時代以降に日本列島に伝来したと考えられてきた。ところが,日本の縄文時代の遺跡から大型のダイズとアズキの種子が見つかり,日本列島でもドメスティケーションが起きていた可能性が出てきた。しかしこれまで見つかっているのは種子大型化の形質変化のみであり,現在の栽培種が持っている種子の休眠性や莢の裂開性の喪失という形質は確認されていない。本研究では,これらの栽培種特有の形質が,いつ頃,どのように獲得されたのかを考古学と遺伝学の双方から検討し,ダイズとアズキの栽培種がどのような過程で誕生したのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度は,昨年に引き続き,以下のように調査・分析を継続した. (炭化種子分析)遺跡から出土したダイズとアズキの炭化種子を対象に種子サイズを計測するとともに,種皮の厚さの計測と種皮表面構造(膜状組織)の観察を行った.本年度は特に,縄文時代後期から弥生時代の遺跡から出土した炭化種子を対象に,種皮厚のデータを収集した. (土器の種子圧痕分析)土器に付着したダイズとアズキの種子圧痕を対象に,シリコン樹脂による土器の圧痕のレプリカを作成し,走査型電子顕微鏡で観察した.種子圧痕のサイズを計測するとともに,種皮表面の膜状組織の有無を判定した.本年度は縄文時代中期の遺跡を中心に分析を進めた. (ゲノム解析)シロアズキなどの在来アズキと日本各地のヤブツルアズキおよび韓国のヤブツルアズキのゲノム情報を解析し,栽培種と野生種で異なる領域の抽出を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
炭化種子や種子圧痕などの形態データは計画通りに蓄積しつつある。ゲノム解析についてもアズキとヤブツルアズキを中心に大量のゲノムを読むことが出来ており、予定通りに解析が進んでいる。また、日本植生史学会の機関紙「植生史研究」に特集号「縄文時代のマメ科植物のドメスティケーション」を掲載することが出来た。成果の一部を国際学会19th Conference of the International Workgroup for Palaeoethnobotany(チェコ)にて公表することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
今後も計画通りに研究を進める.本年度は特に,走査型電子顕微鏡を使った種皮の構造解析と種皮厚サイズデータの蓄積に力を入れる.また,アズキのゲノム情報の解析にさらに力を入れ、焼畑在来アズキなどのデータを加える予定である.
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