研究課題/領域番号 |
21H00646
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
長坂 格 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (60314449)
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研究分担者 |
小ヶ谷 千穂 フェリス女学院大学, 文学部, 教授 (00401688)
大野 恵理 獨協大学, 外国語学部, 専任講師 (40820022)
飯田 悠哉 愛媛大学, 農学研究科, 研究員 (50964342)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | パンデミック / エッセンシャルワーカー / 表象 / 移住労働者 / フィリピン / 移住 / エッセンシャルワーク / 移住ケア労働者 / 移住農業労働者 / 移住家事労働者 |
研究開始時の研究の概要 |
経済的に豊かな国の多くでは、人々の生存と生活を持続させるために不可欠な労働者である「エッセンシャル・ワーカー」に多くの移住労働者が含まれる。それら移住労働者は、就労の継続を求められつつ、「ウィルスとの戦い」における「ヒーロー」、あるいは「ウィルスを運んでくる者」など、様々に表象されてきた。本研究は、1970年代から多くの移住者を送り出してきたフィリピンに焦点をあて、異なる国で働くフィリピン系のエッセンシャルワーカー達がパンデミックをどのように経験したかを比較検討し、国際移住を生み出し、持続させる政治経済構造とパンデミックの複雑な相互関係を解明することを試みる。
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研究実績の概要 |
2021年度は、各国における新型コロナウィルス感染症の拡大状況を注視しつつ、実地調査、文献調査を行った。代表者である長坂は、パンデミックの移住者への影響に関する諸研究を収集し、研究の総括の準備を行った。また、海外研究協力者となっているフィリピンのスカラブリニ移住センターのM.アシスの協力を得て、8月、11月、1月と3度のパンデミックと移住に関する国際ウェビナーを実施した。8月と11月のウェビナーでは国内外の研究者や実践者、行政職員をスピーカーとして招へいした。1月のウェビナーでは研究協力者3名の、調査経過についての発表を行った。また、長坂は、海外研究協力者である、Bonifacioのカナダでのケア労働などに従事する移住労働者の調査、Fresnoza-Flotのフランスとベルギーでの移住家事労働者の調査、Galamのイギリス、オランダでの移住家事労働者の調査、飯田の日本国内の農業労働を行う技能実習生の調査を支援した。分担者である小ヶ谷は、パンデミック下の日本におけるフィリピン系移住者表象についての調査をすすすめる一方で、大野による農村地域での、食品加工に従事する女性移住労働者の調査を支援した。年度を通して、オンラインでの研究会を4回実施した。 一部予算の繰越を行った2022年度では、4月に、長坂が、飯田とともに、日本国内の農業労働を行う技能実習生のパンデミック経験についての調査を実施した。7月には、対面とオンライン併用の研究会を横浜で開催した。また、第5回日本地区フィリピン研究国際学会においてパネル((Im)mobilities, (mis)representations, and socialities among Filipino migrant workers under the pandemic)を組織し、5本の調査結果の報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度は新型コロナウィルス感染症の拡大の影響で、国内調査、国外調査を十分に実施することができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に、2021年度の国内調査の遅れを取り戻すべく、飯田と長坂は調査を複数回実施した。2023年度においても、国内調査を中心に、これまでの遅れを取り戻すための調査を実施する。また、これまで新型コロナウィルス感染症が拡大するなかで実施できなかった、対面での研究打ち合わせおよびワークショップ開催などを通じた研究発表の機会も設けていくことで、研究成果の公表の遅れも徐々に取り戻していきたい。
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