研究課題/領域番号 |
21H00655
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
鈴木 紀 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 教授 (40282438)
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研究分担者 |
本谷 裕子 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 教授 (30407134)
細谷 広美 成蹊大学, 文学部, 教授 (80288688)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 文化人類学 / 芸術 / ラテンアメリカ / 民衆芸術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はラテンアメリカの民衆芸術に関する文化人類学的研究である。ラテンアメリカの民衆芸術とは、手工芸品から美術品にまたがる多様な造形物を含む。本研究は、経済のグローバル化、国家による歴史観の見直し、新型コロナウイルス感染症などの影響下に、民衆芸術に生じている変化を解明する。そのために新しい「芸術文化システム」モデルを構築し、民衆芸術の制作者たちの戦略を分析する。ラテンアメリカの文化的多様性を考慮し、アフロ=カリブ地域、メソアメリカ地域、アンデス地域における事例研究を4年間実施し、事例間の比較から結論を導く。本研究は、芸術の人類学とラテンアメリカ地域研究、双方に貢献するものである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、現代のラテンアメリカにおける民衆芸術の動態を解明することにある。令和3年度は、研究初年度にあたり1)民衆芸術の総括研究、2)民衆芸術の事例研究に着手した。またすでに研究成果がでたものについては口頭発表をおこなった。1)の総括研究はオンラインで研究会を開催し、研究代表および研究分担者2名の間で問題意識を共有した。2)については次の通りである。 鈴木紀(研究代表):アフロ=カリブ地域のマルーン(逃亡奴隷の子孫)の作品に焦点を当て、国立民族学博物館が所蔵するスリナム国のマルーンの木彫32点の資料分析をおこなった。またスリナム、仏領ギアナを中心とするマルーン系住民に関する民族学、人類学、歴史学、芸術学の文献収集をおこなった。当初予定したスリナムにおける調査は、相手国事情により実施できなかった。総括研究の暫定的な成果として、民衆芸術概念に関する新しい解釈を国内学会および国際学会(メキシコとスペイン)でおこなった。 細谷広美(研究分担者):ペルーの民衆・民族芸術のグローバル化及び民族・民衆芸術とアートの関係に関する調査を計画し、関連文献の収集をおこなった。また欧米におけるラテンアメリカのアート作品の受容に関する調査を計画し、イタリアのベネチアビエンナーレとドイツのドクメンタを訪問し、資料収集をおこなった。 本谷裕子(研究分担者):国立民族学博物館にて同館の収蔵するグアテマラの民族衣装に関する資料熟覧をおこなった。グアテマラにおける民族衣裳の知的財産権保護運動の調査を計画し、オンラインによる情報収集をおこなった。メキシコのオアハカ州に渡航し、アメリカ合衆国への移住体験を記録する刺繍絵の調査をおこなった。グアテマラに関する研究成果は、国際学会(スペイン)で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延により、当初計画した現地調査を予定どおりおこなえなかった。鈴木はスリナム調査、細谷はペルー調査、本谷はグアテマラ調査を、相手国事情によりそれぞれ見合せた。しかし文献調査、オンライン調査などを通じて、不十分ながら現地調査に代わる情報収集を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者と研究分担者はそれぞれの調査地の状況を確認し、問題がなければ現地調査を実施する。文献研究と現地調査を組み合わせで事例研究を進める。また総括研究を進めるため、国内のラテンアメリカの民衆芸術に関する専門家へインタビュー調査をおこなったり、招聘して研究会を開催したりする。
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