研究課題/領域番号 |
21H00675
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05070:新領域法学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
齋藤 実 琉球大学, 法務研究科, 教授 (20424830)
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研究分担者 |
立石 直子 愛知大学, 法学部, 教授 (00369612)
井上 匡子 神奈川大学, 法学部, 教授 (10222291)
町村 泰貴 成城大学, 法学部, 教授 (60199726)
松村 歌子 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (60434875)
矢野 恵美 琉球大学, 法務研究科, 教授 (80400472)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 犯罪被害者 / 北欧 / 被害者弁護士 / 犯罪被害者等給付金制度 / 条例 / 地方自治体 / 犯罪被害者庁 / 犯罪被害者弁護士 / 損害賠償 / 損害賠償命令 / 被害者参加制度 / 被害者弁護士制度 |
研究開始時の研究の概要 |
犯罪被害者支援の必要性は広く認識されている。しかし、国は、実効性のある被害者支援のための対策を十分に講じることが出来ていない。また、自治体も被害者支援条例を定めるところもあるが、自治体ごとの地域格差が生じている。一方、北欧諸国では、被害者支援のため法制度を十分に整えるとともに、「犯罪被害者庁」などの専門の独立した官庁や部局を設置し、各地域で格差のない被害者支援を行う。日本の問題は、法制度が整わず、また国の役割が明確でないことにある。本研究は、日本の法制度や国及び自治体の状況を把握し、北欧諸国の被害者支援政策を参考にして、被害者法整備及び国の役割を明らかにする。
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研究実績の概要 |
①国選被害者弁護士制度、②犯罪被害者等の経済的支援、③地方自治の状況及び国の官庁の在り方(被害者庁)に関する文献調査を行うとともに、徐々に現地調査も始め、また、可能な限り研究で得た知見を公表し始めている。 まず、①国選被害者弁護士制度については、コロナ禍の影響なども考慮し、現地調査を控え、文献調査を中心に行った。法務省では実務者協議会などの動きもあったことから同省HPなどからその動向を調査した。次に、②犯罪被害者等の経済的支援については、日本の被害者支援の中では最も大きく動いている分野である。新あすの会が創設されるとともに衆議院で議連の勉強会が立ち上がるなどした。また、マスコミ等でもこの問題は注目を集めた。当研究でも従前の文献調査等を続けるとともに、その成果を可能な限り公にするようにした。研究代表者齋藤は新あすの会及び衆議院議連で経済的支援の重要性について講演を行うとともに、NHKクローズアップ現代に出演し犯罪被害者等の経済的支援を訴えた。③地方自治についても、文献調査を行うとともに、条例制定に詳しい弁護士から話を聞くなど、実務の状況についても研究をおこなった。①~③以外でも齋藤が刑の執行段階にお行ける心情等聴取制度の検討会(法務省矯正局)で委員として参加した。 コロナ禍であったものの、一部、海外調査も開始した。海外調査がしばらく途切れたこともあり、訪問先を丁寧に選定するとともに、可能な限り海外の新しい状況を取り入れることに留意した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の開始当初より、コロナ禍の影響を強く受けた。今年度はコロナによる規制は徐々に解かれたものの、それでも依然としてコロナの影響が残っていたことから、オンラインを最大限活用し、研究会を実施した。さらに、①から③に関わる方々をゲストとして講師を招へいし勉強会を開催するなど起こった。 今年度の後半からは徐々に国内での移動とともに海外の移動も、以前に比べてはスムーズになった。そのため、当研究でも現地調査を開始した。もっとも、これまでの遅れを完全に取り戻すには至っておらず、やや遅れている状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
①国選被害者弁護士制度、②犯罪被害者等の経済的支援、③地方自治の状況及び国の官庁の在り方(被害者庁)を柱として研究を進めることに変わりはない。 2023年度も文献調査とともに、現地調査を丁寧に行う。①~③のいずれの課題も海外調査を欠くことはできないことから、可能な限り海外調査を行いたい。もっとも、約2年近くコロナ禍であったことから、残った研究期間ですべてを予定通り実行することは難しいものと思料される。そのため、現地調査については、特に重要であると思われる分野を中心に、調査対象をできる限り絞っていきたい。 また最終年度であることから、報告などの機会を設けたいと考えている。
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