研究課題/領域番号 |
21H00701
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
橘 永久 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (70301017)
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研究分担者 |
加治佐 敬 京都大学, 農学研究科, 教授 (50377131)
櫻井 武司 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (40343769)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2021年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | 自然災害 / 長期効果 / 海外出稼ぎ / ネパール / 個票データ / 追跡調査 / 村落共同体 / 人的資本 / 集計ショック |
研究開始時の研究の概要 |
多くの途上国において、居住の近接性に基づく伝統的村落共同体が、都市部や海外への出稼ぎ者・移住者と村落在住者間との人的ネットワークに基づく、新形態の共同体に変貌しつつある。共同体外からの送金は、従来の村落共同体では弱かった、大規模自然災害など全村を襲う集計ショックに対する暗黙の保険機能を、変化させている可能性がある。 本研究は、出稼ぎが盛んなネパールを対象に、2015年大震災を自然実験として活用し、新形態の共同体が持つ集計リスク対応機能を計測する。外部機関による支援が不可欠と考えられてきた集計ショックに対する村落共同体対応の現状を明らかにすることは、支援ターゲティング改善を図るために重要である。
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研究成果の概要 |
多くの途上国において、海外への出稼ぎ者・移住者と国内に残ったその家族間の人的ネットワークに基づく新形態の村落共同体が出現している。本研究の目的は、2015年にネパール山地帯中西部を襲った大地震を自然実験と見なし、新形態の村落共同体が、自然災害等の大規模集計ショックに対して有効な「暗黙の保険」を提供しているかを検証することである。ネパール政府から特別に使用許可を得た2015年被災者の個票データから142村落をランダムに選択し、各村落で5軒ずつ、計710家計についての再調査を計画・実施した。コロナ渦で開始は遅れたが、都市部への移住家計の追跡調査も含めた全調査を2024年3月に終えることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
経済学の諸研究は、住居の近接性に基づく伝統的村落共同体が、構成メンバーそれぞれを時に襲う個別ショックに対して暗黙の保険(助け合い)を提供していることを明らかにしました。一方、伝統的村落共同体は、構成メンバーの多くが同時に影響を受ける集計ショックに対しては、あまり機能しえないことも示されています。そのため、自然災害などの集計ショック時には、外部機関による村落支援が不可欠と考えられてきました。本研究は、海外への出稼ぎ者・移住者を多く持つ新形態の共同体が、理論上は集計ショックに対応できることに注目し、2015年ネパール大地震被災家計の経済状況を追跡調査することで、その理論の妥当性を検証する試みです。
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