研究課題/領域番号 |
21H00748
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
牧 兼充 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 准教授 (60348852)
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研究分担者 |
隅藏 康一 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (80302793)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | スターサイエンティスト / エコシステム / 産学連携 / スタートアップ / サイエンス / スター・サイエンティスト |
研究開始時の研究の概要 |
「スター・サイエンティストはどのような形でスタートアップに関与し、成功に貢献しているのか」を明らかにすることが目的である。スター・サイエンティストは通常の研究者に比べて活発にスタートアップに関与し、その際には「暗黙知の移転」が重要であることが先行研究で明らかになっている。しかし彼らの日米比較では近年スタートアップへの関与は役割が多様化している傾向がある。そこで研究代表者らが作成した「スター・サイエンティスト・コホート・データセット」を活用してそのメカニズムと成功要因を探るために定性分析と定量分析を行う。更に探索的な研究としてテキスト・マイニングとディープ・ラーニングを活用した特性分析を試みる。
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研究実績の概要 |
令和4年度末時点において、コントロール群としての国内スター・サイエンティストへのインタビューとその分析、日米のスター・サイエンティストの定量分析による比較が概ね完成した段階である。その内容については、ワーキングペーパーとしてまとめている。
更に探索的な研究としてディープ・ラーニングを活用したスター・サイエンティストの検出エンジンの作成を行い、ワーキングペーパーとしてまとめた。精度はまだまだ低いもののプロトタイプを構築し、ディープ・ラーニングの活用方法と今後のデータ収集方針について整理した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年2月までに、 インタビュー事前準備、第一回国内サイエンティストインタビュー、インタビュー まとめ、分析、渡米によるインタビュー、定量分析 (データセット構築、データ分 析、第二回国内サイエンティストインタビュー、インタビュー後の定量分析、スター・サイエンティストの対面インタビューを行う予定であった。 そのうち、外生的な要因の影響を受けづらい国内スター・サイエンティストのインタビューと、定量データ分析について進めた。 一方で、渡米を前提としたスター・サイエンティストのインタビューは、大きく分けて3つの理由により、進捗がやや遅れている。第一の理由は、新型コロナウィルス感染症への対応により、スター・サイエンティストへのインタビューが取りづらくなっていることである。コロナによる隔離期間の影響のみならず、在宅勤務が増えたために、アポイント調整の選択肢が減っている。第二に、新型コロナウィルス感染症やウクライナ戦争の影響などによる航空運賃が高騰し、渡米の回数自体を見直す必要が発生したことである。第三に急速な円安、米国の物価の上昇によりホテル代が高騰し、米国の滞在日数を大幅に絞らないといけなくなったためである。 大前提として、スター・サイエンティストへのインタビューは、いくつかの理由により、オンラインではなく、対面インタビューが望ましい。第一に、質問項目の一部は、サイエンティストにとってセンシティブな内容が含まれているため、対面によるラポールが重要である点である。第二に、インタビューは本人への質問のみならず、研究室の環境やポスドク・博士課程の様子を観察することも重要であるからである。 以上の理由により、研究計画の順序などを入れ替えて、また一部の研究は期間を延長することにより、より充実した成果を創出することを目指している。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症の状況も収まり、海外渡航制限も緩和されたため、令和5年度は、積極的に渡米し、スター・サイエンティストへのインタビューを行う予定である。それと同時にインタビューの手法については、新たな工夫を導入する。 1.当初計画では、同一のインタビュー対象者に、複数回対面インタビューを行う予定であった。しかしながら航空運賃や宿泊費の高騰を前提にすると、インタビューの回数を絞らざるを得ない。そこで1回目のインタビューは対面、2回目のインタビューはオンラインとすることで、コストの削減を測る。
2.当初計画では、アポイントは、面識のないスター・サイエンティストへ直接メールを送る方法で取る予定であった。しかしながら、この方法では、限られた時間の中でのスケジュール調整が困難なため、日本人のサイエンティストのネットワークを広げ、そのネットワークを介して紹介を受けることでアポイントを取ることを目指す。そのため、日本人のサイエンティストのネットワークを構築する時間を十分にとることとする。
3.スター・サイエンティストのみならず、スター・サイエンティストのラボに所属するポスドク・博士課程の学生へのインタビューを行うことにより、エビデンスの拡充を図る。ポスドク・博士課程へのネットワークは、米国のエコシステムにおける交流会への参加が有効であり、そのための時間を十分にとることとする。
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