研究課題/領域番号 |
21H00822
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
斉藤 利彦 学習院大学, 文学部, 教授 (20178495)
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研究分担者 |
須田 将司 学習院大学, 文学部, 教授 (00549678)
逸見 勝亮 北海道大学, 大学文書館, 学術研究員 (20002321)
森川 輝紀 埼玉大学, 教育学部, 名誉教授 (20008741)
前田 一男 立教大学, 名誉教授, 名誉教授 (30192743)
国谷 直己 川村学園女子大学, 教育学部, 講師 (80845834)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 戦時教育令 / 学徒隊 / 勤労動員 / 本土決戦 / 国民義勇隊 / 学徒義勇隊 / 学徒義勇戦闘隊 / 義勇兵役法 / 国民義勇戦闘隊 |
研究開始時の研究の概要 |
戦時教育令は、アジア・太平洋戦争末期の1945(昭和20)年5月22日、勅令第320号をもって公布され同日に施行された。これより先の同年3月18日、政府は「決戦教育措置要綱」を閣議決定し、予測される本土決戦に備え全学徒の総動員と、国民学校初等科以外の学校における1946年3月31日までの授業の原則停止を指示していた。まさに、教育の崩壊過程が全国的規模で進んでいた. 本研究は、「決戦教育措置要綱」を含む決戦下の一連の諸施策との関係等の、本令の成立過程や背景、実施の経緯、その中から生み出された実態等にわたる全体的な考察と分析を、当時の教育の崩壊過程との関連を視野に入れ進めていくことを課題としている。
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研究実績の概要 |
戦時教育令は、アジア・太平洋戦争末期の1945年5月22日公布され同日に施行された。学徒に対し防空防衛、軍需生産、食糧増産、重要研究など戦時に緊切な要務に日夜挺身することを命じ、そのために「学徒隊」を組織化した。この戦時教育令に関し、先行研究では戦争末期という非常時における、いわば戦時立法的なものとしてとらえられ、その成立から廃止(1945年10月6日)に至るまでの全過程と、本令のはたした現実の役割の総合的かつ全体的な考察は進められてこなかった。 こうした状況に対し、本研究プロジェクトは、本令の前提となった「決戦教育措置要綱」を含む決戦下の一連の諸施策との関係等の、本令の成立過程や背景、実施の経緯、その中から生み出された実態等にわたる全体的・本格的な考察と分析を、当時の教育の崩壊過程との関連を視野に入れ進めていくことを目的とした。 これまでのところ、本研究実績として、本令の制定過程に即した実証的な調査と分析を行なった。本令が、政府による勅令案の枢密院への諮詢の奏請、枢密院本会議での議論と可決、閣議決定による上奏と裁可の一連の経緯を経て制定されたものであることを、国立公文書館所蔵の資料等によって明らかにした。また、当時の新聞報道等のメディアの精査と分析を行い、本令への中央の動向や世論・教育界の受けとめ等の解明に着手した。 さらに、本令は学徒に対し防空防衛、軍需生産、食糧増産、重要研究など戦時に緊切な要務に日夜挺身することを命じている。この戦争最末期において、それは具体的に学校現場でどのような様相をもって実施されたのかの解明も継続して行なっている。以上と並行して、上記の検討を進める史料論として、学校に保存された一次資料に基づいて行うことを重視してきた。具体的には、特に「学校日誌」や学校沿革史の調査と収集を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、アジア・太平洋戦争末期の1945年5月22日公布され同日に施行された戦時教育令を対象とし、そこで規定された学徒への様々な強制、すなわち防空防衛、軍需生産、食糧増産、重要研究など戦時に緊切な要務への挺身の具体的な内容を解明することを目ざした。 さらに、この戦時教育令に関し、先行研究では戦争末期という非常時における、いわば戦時立法的なものとしてとらえられ、その成立から廃止(1945年10月6日)に至るまでの全過程と、本令のはたした現実の役割の総合的かつ全体的な考察は進められてこなかった。 こうした状況に対し、これまで本研究プロジェクトは、本令の前提となった「決戦教育措置要綱」を含む決戦下の一連の諸施策との関係等の、本令の成立過程や背景、実施の経緯、その中から生み出された実態等にわたる全体的な考察と分析を進めてきている。 また、それらすべての前提となるのは、本令における学徒への「戦時に緊切な要務」の要請が、それまでの戦時体制の延長上にあるのみならず、本土決戦必至となった決戦下の状況との関連でなされたものであるという視点であるが、その面でも、本土決戦への動向とほぼ並行して打ち出された「国民義勇隊組織ニ関スル件」(3月23日閣議決定)と「状勢急迫セル場合ニ応スル国民戦闘組織ニ関スル件」(4月13日閣議決定)による「国民義勇隊」の創設と編成、さらには「学徒隊」「学徒義勇隊」の編成・動員との関係を明らかにしてきている。
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今後の研究の推進方策 |
これまで、本令の制定過程に即した実証的な調査と分析を行ない、本令が政府による勅令案の枢密院への諮詢の奏請、枢密院本会議での議論と可決、閣議決定による上奏と裁可の一連の経緯を経て制定されたものであることを、国立公文書館所蔵の資料等によって明らかにした。また、当時の新聞報道等のメディアの精査と分析を行い、本令への中央の動向や世論・教育界の受けとめ等の解明に着手した。 今後の研究の推進方策としても、上記のアプローチを引き続き行っていく。 さらに、本令は学徒に対し防空防衛、軍需生産、食糧増産、重要研究など戦時に緊切な要務に日夜挺身することを命じている。この戦争最末期において、それは具体的に学校現場でどのような様相をもって実施されたのかの解明も引き続き行なっていく。 また、本土決戦が必至となった状況との関連で、教育現場にいかなる変化が引き起こされたのか、それがいかなる具体的な形であらわれたのかを分析していく。 そのために、上記の分析を、学校に保存された一次資料に基づいて行っていく。具体的には、特に「学校日誌」や学校沿革史の調査と収集を進めていく。その際の分析視点として、1945年3月18日の閣議決定「決戦教育措置要綱」、5月22日の戦時教育令の公布、6月23日の義勇兵役法等が、学校現場でどのように受容され、「学校日誌」にどのように記述されたのかの検討を行う。
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