研究課題/領域番号 |
21H00855
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 跡見学園女子大学 |
研究代表者 |
茂木 一司 跡見学園女子大学, 文学部, 教授 (30145445)
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研究分担者 |
布山 毅 東京藝術大学, 大学院映像研究科, 教授 (10336654)
廣瀬 浩二郎 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 教授 (20342644)
伊藤 亜紗 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (20701618)
手塚 千尋 明治学院大学, 心理学部, 准教授 (20708359)
宮本 聡 九州大学, 人間環境学研究院, 学術研究員 (30805180)
大内 進 星美学園短期大学, 日伊総合研究所, 客員研究員 (40321591)
笠原 広一 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50388188)
池田 吏志 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (80610922)
山城 大督 京都芸術大学, 芸術学部, 講師 (90882415)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | インクルーシブアート教育 / 視覚障害 / メディア教材 / ワークショップ / 重度重複障害 / 教材開発 / 美術教育 / 色彩学習 / PCCS / インクルーシブアート学習 / メディア教材開発 / 参加型評価 / 障害理解教育 / みたて |
研究開始時の研究の概要 |
視覚障害教育は粘土造形による「触る美術教育」として発展・認知されてきたが,近年対話型鑑賞などによる「触らない=言葉による鑑賞」が注目を集めはじめ,二極化もみられる。 本研究は,そのような触る/触らない、もの/テキストなど視覚障害美術教育における二元論的な対立を回避し,見えない人も見える人も「ともに歩めるインクルーシブアート教育」の理念と具体的なアナログ・デジタルメディアを使った題材・教材およびカリキュラム作成をめざして,取り組む実験的な研究である。
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研究実績の概要 |
盲(視覚特別支援)学校の児童生徒数の激減や1990年代に活躍した盲学校美術教師の定年等によって失われる盲学校美術教育の専門的スキルの収集とアーカイブ化は、『視覚障害のためのインクルーシブアート学習:基礎理論と教材開発』(ジアース教育新社、2022.1)発刊によって(すべてではないが)達成された。出版の反響は大きく、多様性の時代を反映して、教育関係者や美術館・博物館だけでなく、マイノリティや差別に関する社会的動向が後押しし、アートが共生社会の基盤づくりになるべきという「インクルーシブアート教育」(筆者造語)までにも注目が集まったと感じた。たとえば、令和4年度文化庁メディア芸術祭名古屋展「あそびのダイナミクス~こころのインタラクション」招待講演(2022.9)、アートミーツケア学会2022年度大会・総会招待シンポジウム(2022.12)などで、アートがインクルーシブな社会づくりに積極的に関与できることが共感を持って受容されることを確認した。 また、今までの美術教育が効率・スピード・生産性の近代主義に沿って構築されたために偏った荒削りな美術教育になっていることを指摘した著書に従って、より丁寧な教材づくりを色彩学習に応用し、「インクルーシブ色彩学習試論」に取りかかって、特にPCCS(日本色研表色体系)の配色調和に基づいた学習を「自己と世界の調和」という視点から総括した。また、布山タルト(毅)氏と協働で、全盲児がアニメーションが学習できるためのICT活用型教材を開発・実験をした。全盲児はアニメ作成はできるが鑑賞(確認)ができないという欠点を補う画像+音声のアニメアプリKoma Oto及びアニメのコマ送りの原理を体験できるタクトロープの2教材である。 コロナ禍が継続中であり、オンラインを中心としたインクルーシブアート学習の在り方も継続検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響で、障害児教育の現場(特別支援学校)での実践が困難になっていることや逆に、研究の発展による情報の蓄積が新しい研究方法に結びつくなど、多様な研究の選択肢が増えて、よい意味で研究が拡張しているから。
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今後の研究の推進方策 |
触覚を使うタクティクル中心の教材開発に聴覚を加えたICTを活用した教材開発を進める。現在、視覚障害児がアニメの原理を理解するツールや音のアニメーションが作成できるアプリ開発を進めている。
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