研究課題/領域番号 |
21H00858
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
中村 光一 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80225218)
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研究分担者 |
清野 辰彦 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00550740)
成田 慎之介 東京学芸大学, 教育学研究科, 准教授 (00804064)
藤井 斉亮 東京学芸大学, 教育学部, 名誉教授 (60199289)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 数学的プロセスの学習 / 教授・学習過程 / 算数・数学科 / 数学的プロセス / 学習 / 教授学習過程 |
研究開始時の研究の概要 |
数学的プロセスの学習は,わが国おいて教育目標として長きにわたって掲げられてきた.近年では,特に,数学的プロセスの学習が教育目標として国際的にも強調されるようになってきた.目標の観点からの研究は多くなされてきたが,子どもが学習する場である授業における数学的プロセスの学習は十分な研究が成されてきていない. 本研究では,授業という教授学習過程における子どもの数学的プロセスの学習を研究の対象とするための理論的概念の構築をすることを目指す.そのために,授業過程と学習過程の両者を捉えるための理論の構築をデータ対話型の質的研究方法を用いて進める.この成果により授業の改善に資することが可能である.
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研究実績の概要 |
研究目的を達成するために,4つの研究課題を設定し,それぞれの課題に従った研究を進めた。 研究課題1の数学的対象,社会数学的規範に関する先行研究の収集と社会構成主義の観点からの分析に関しては,授業という教授・学習過程を考察の対象とするための理論的概念として,子どもの思考プロセスにおける言語の役割を明確にするためにSfardの文献をきっかけに,ウィトゲンシュタインによる考察を理論的背景として加味した. 研究課題2の授業において子どもが考えるプロセスのデータの収集に関しては,授業という教授・学習過程において,子どもの学習過程と授業をとらえるためのパイロット的なデータの収集をもとに,収集方法を検討し,新しい方法で実施した.子どもの学習過程と授業過程の反射的関係を前提とした分析を継続してすすめる.特に,データ収集は小学校での割合と中学校での関数を中心とした. 研究課題3の教授・学習過程における数学的プロセスの学習を捉えるための理論的概念の構築に関して 研究課題2において収集,分析したデータをもとに暫定的な理論的な概念の構築を目指す.特に,数学的対象,数学的プロセスをもとに考察を進めた. 研究課題4の数学的プロセスの学習を目指す相互行為の設計と実施については,数学的プロセスの学習を目指す相互行為の設計と実施のために,適切な教材や相互行為の評価を進め,開発した教材を用いて授業を実施した.この過程で授業研究に関する研究も重要な役割を果たした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題1の数学的対象,社会数学的規範に関する先行研究の収集と社会構成主義の観点からの分析に関しては,研究課題3において実施した積極的な意味での理論的概念への再考とあわせて,新たなる理論的立場への考察を進めることとした.特に,子どもの数学についての思考プロセスについての考察を深めるために言語論に着目した理論的観点の必要性があらたに指摘された. 研究課題2の授業において子どもが考えるプロセスのデータの収集に関しては,授業という教授・学習過程において,子どもの学習過程と授業をとらえるためのパイロット的なデータの収集を実施した.この過程でコロナ感染症の影響のため,年度の前半では当初予定した通りのデータ収集が十分に達成できなかったが,前述のように,課題1と課題3とのかかわりにおいて,新しい理論的観点を検討することで,十分でなかったデータ収集に一部データ収集を追加することで,研究を進めるために十分なデータの収集ができた. 研究課題4については,研究課題2のデータの収集と関連させながら,相互行為のデータを分析することで,適切な教材の評価と開発を進めた.
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今後の研究の推進方策 |
研究課題1の数学的対象,社会数学的規範に関する先行研究の収集と社会構成主義の観点からの分析に関しては,授業という教授・学習過程を考察の対象とするための理論的概念として,子どもの思考プロセスに関する考察を言語論的観点から進めるためにあらたな理論的観点を導入する.特に,Sfardの文献とその背景にある理論的概念にもとづいて進める. 研究課題2の授業において子どもが考えるプロセスのデータの収集に関しては,授業という教授・学習過程において,子どもの学習過程と授業をとらえるためのパイロット的なデータの収集をもとに,収集方法を検討し,新しい方法で実施する.特に,データ収集は小学校での割合と中学校での関数を中心とする予定である.いずれも内容も基本的な思考プロセスは示されているが,子どもにとって理解が容易ではない内容である. 研究課題3の教授・学習過程における数学的プロセスの学習を捉えるための理論的概念の構築に関して 研究課題2において収集,分析したデータをもとに暫定的な理論的な概念の構築を目指す.特に,数学的対象や数学的プロセスについて焦点をあてる. 研究課題4の数学的プロセスの学習を目指す相互行為の設計と実施については,数学的プロセスの学習を目指す相互行為の設計と実施のために,継続的に,適切な教材や相互行為の評価を進め,開発した教材を用いて授業を実施する.
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