研究課題/領域番号 |
21H00864
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
|
研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
黒田 恭史 京都教育大学, 教育学部, 教授 (70309079)
|
研究分担者 |
石井 英真 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (10452327)
森 秀樹 昭和女子大学, 人間社会学部, 准教授 (30527776)
岡本 尚子 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (30706586)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
|
キーワード | 生体情報計測 / ICT教材開発 / 教材の検証・普及 / 空間図形教育 / 教材開発 / 空間図形教材開発 / 脳活動計測 / 視線移動計測 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、コンピュータを用いた空間図形教材を開発し、実物の立体や紙面にかかれた立体の教材の場合との脳活動と視線移動の同時計測による比較実験により、どのような差異が生じるのかを生理学的に解明することである。その研究成果を踏まえ、空間認識力の向上に有効なコンピュータを用いた小・中学生用空間図形教材の開発と普及を行う。大学生を対象に基礎データを取得し、小中学生を対象に本実験を実施する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、次の三点である。一つ目は、コンピュータを用いた空間図形教材の試作版を開発し、脳活動と視線移動の同時計測による生体情報計測実験により、実物の立体や紙面にかかれた立体の教材の場合と比較して、どのような差異が生じるのかを生理学的に解明することである。二つ目は、生理学データの研究成果を踏まえ、空間認識力の向上に有効なコンピュータを用いた小・中学生用空間図形教材の改良し、完成版にすることである。そして三つ目は、ホームページ等を用いてのこれらの教材を普及することである。 2022年度の取り組みでは、一つ目の目的に該当するコンピュータを用いた空間教材の試作版の開発においては、22本の教材を開発した。これらは専用のホームページにおいてアップロードしており、だれもが無償で使用できる環境を構築している。 また、小学生に対する生理学データの取得と分析を行った。コロナ禍が長期化したために、子どもを対象とした生体情報計測実験の実施が非常に困難な状況であったが、長時間の密を避けるために実験を2日間に分けるなどの工夫を行い、京都教育大学附属桃山小学校の協力のもと、小学校6年生9名に対して脳活動と視線移動の同時計測実験を実施することができた。現在、これらのデータの分析に着手しており、現段階では、教材での学習を行うことで、行動観察において回答時間の短縮が有意に見られていることから、こうした時間短縮と視線移動の変化の対応関係、脳活動の賦活(活性化)の度合いなどに着目して分析を行っていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
空間図形の教材開発については、GeoGebraソフトを用いて行った。小学生版1本と中学生版21本を制作し、ホームページにおいて公開している。 また、生体情報計測実験では、小学校6年生を対象に、空間図形課題とICT学習時の脳活動と視線を同時に計測した。実験は2日間に分けて行われ、1日目は展開図課題30問、2日目は5分間のICT学習と、展開図課題30問を実施した。実験参加者は、前頭前野の脳活動と、視線移動の計測装置を装着し、実験課題およびICT学習を行った。実験後は、課題の解き方やICT学習に関するインタビュー調査を行った。 この実験の目的は,(1)1回目に計測した空間図形課題時の脳活動と視線のデータをもとに,2回目の空間図形課題の成績を予測できるか,(2)ICT学習の効果を脳活動や視線のデータからも評価することができるかを探索的に検討することである。 2022年2月13日~3月20日にかけて,京都教育大学附属桃山小学校の第6学年9名を対象に実験を実施した。実験刺激は,PyschoPyを用いて提示した。反応時間及び正答率はPsychoPyに自動で保存される。これらのデータはExcel及びR-4.1.3を用いて統計解析した。脳活動データは,Spectratech-OEG16及びOEG-16を用いて計測した。計測されたデータはMATLAB 2017b及びHomer3を用いてGLM解析を行った。算出されたβ値に関して,R-4.1.3を用いて統計解析した。視線データは,Tobii Pro Nano及びTobii Pro Labを用いて計測した。計測されたデータはTobii Pro LabでAOIの設定を行い,Excel及びR-4.1.3を用いて統計解析した。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は、引き続き小学校6年生の生体情報計測実験を実施するとともに、並行して京都教育大学附属桃山中学校において、同様の実験を実施する予定である。 また、小学校を中心にGeoGebraソフトによる空間図形教材を開発し、公開していく予定である。
|