研究課題/領域番号 |
21H00874
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮本 友弘 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (90280552)
|
研究分担者 |
平山 祐一郎 東京家政大学, 家政学部, 教授 (10299894)
佐藤 純 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (20327266)
銀島 文 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター基礎研究部, 総合研究官 (30293327)
西郡 大 佐賀大学, アドミッションセンター, 教授 (30542328)
服部 環 法政大学, 現代福祉学部, 教授 (70198761)
久保 沙織 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (70631943)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
|
キーワード | メタ認知 / 主体性評価 / 高校生 / 標準検査 / CBT / 主体的に学習に取り組む態度 / 項目反応理論 / 調査書 / コンピュータ適応型テスト |
研究開始時の研究の概要 |
現在、高校教員には生徒の「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性)」を的確に捉えた調査書作成が求められている。そこで、本研究では、「主体性」を支えるメタ認知に着目し、高校生向け標準検査を開発する。その際、項目反応理論に基づく項目プールとCBT(computer based testing)を組合せ、生徒の能力に合わせて適切な項目を出題するコンピュータ適応型テスト(computer adaptive test:CAT)として実現を図る。これにより、メタ認知の効率的かつ高精度での測定・評価が可能となり、大学入学者選抜の資料として、調査書の妥当性・信頼性が高まることが期待できる。
|
研究実績の概要 |
本研究では,CBTによる高校向け標準メタ認知検査の開発を目的に,3つの班(標準検査開発班、統計分析班、システム開発班)を組織し,相互に連携させながら進めている。2年目である本年度における各班の成果は次の通りである。 (1)標準検査開発班:昨年度の理論的検討を踏まえ,メタ認知の内容を整理し,「メタ認知的知識」(自己知識,方略知識,宣言的知識,手続き的知識・条件的知識)に関して31項目,「メタ認知的活動」(事前段階・遂行段階・事後段階のそれぞれにおけるメタ認知的モニタリング及びメタ認知的コントロール)に関して36項目,計67項目を作成した。それらを用いて高等学校3校における計745名の高校生を対象に標準化のための予備調査を実施した。また,次年度の本調査実施に向けて,計画の策定と準備を進めた。 (2)統計分析班:上記①の予備調査で得られたデータについて、項目分析(分布、平均値、標準偏差、IT相関、因子分析等)と下位尺度構成及びその信頼性・妥当性の検証を行った。また,昨年度,IRTに基づく検査の実施方式をアダプティブ方式からリニア方式への変更したことに伴い,用意する検査項目セットの仕様について策定した。 (3)システム開発班:昨年度開発したCBTシステムのプロトタイプに,①IRTに基づくリニア方式による検査実施で使用する複数の検査項目セットの提示系列を編集する機能,②妥当性検証等で使用する別検査を付加する機能,②各検査項目セットの項目順序を毎回ランダムにする機能,を追加し,改善を図った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の遅れを取り戻し,本年度の計画もほぼ予定通り進めることができたので「おおむね順調に進展している」と評価した。 具体的には,まず,標準検査開発班では,昨年度,メタ認知の理論的検討にしっかり取り組んだため,メタ認知の内容整理とそれに基づく項目作成を順調に進めることができた。それにより,予定していた標準化のための予備調査を適切な規模で実施することができた。 統計分析班では,予備調査で収集されたデータに対して,計画通りの分析を実施することができた。また,IRTに基づく検査方式の変更にも柔軟に対応することができ,検査項目セットの仕様策定にも支障をきたしいない。 システム開発班では,IRTに基づくリニア方式による検査実施に必要な機能の設計を効率よく進めることができた。それらは,昨年度開発したCBTシステムのプロトタイプに実装され,システムの実用性を高めることができた。 以上から,来年度に予定している標準化のための本調査,それに基づく統計的品質のそろった検査項目セットの作成,そしてCBTへの実装と運用の見通しが立った。
|
今後の研究の推進方策 |
各班において,次の推進方策を講じる。 (1)標準検査開発班:標準化のための本調査の実施においては,まずは,調査参加者の確保が最優先である。予備調査と同様に,経験豊かな業者に委託することで効率化を図る。また,実施にはCBTシステムを使用するのでシステム開発班との連携を強化する。さらに,測定結果の解釈・評価のための基準作成に向けて,統計分析班との連携も強化する。 (2)統計分析班:本調査で得られたデータにIRTを適用し,統計的品質のそろった検査項目セットを作成には,多大な労力が要求される。上記(1)で述べたように,測定結果の解釈・評価のための基準作成作業もあるので,IRTの解析結果の検証も兼ねて,部分的に外部の専門業者に委託する。 (3)システム開発班:CBTシステムのユーザビリティについての検証が滞っているので,まったく独立の調査を企画するのではなく,標準化のための本調査実施の際には,ユーザビリティを問う項目もいくつか実装するようにする。 以上に加え,研究成果の発表についての打ち合わせを開催し,雑誌論文への投稿等を推進する。
|