研究課題/領域番号 |
21H00897
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
大浦 弘樹 東京理科大学, 教育支援機構, 准教授 (90466871)
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研究分担者 |
伏木田 稚子 東京都立大学, 大学教育センター, 准教授 (40737128)
吉川 遼 愛知淑徳大学, 人間情報学部, 助教 (70811165)
加藤 浩 放送大学, 教養学部, 教授 (80332146)
光永 文彦 大和大学, 情報学部, 准教授 (80911205)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | ハイフレックス型授業 / ハイブリッド型授業 / ハイフレックス・オーケストレーション / スクリプト / CSCL / 教室オーケストレーション / 協調スクリプト / システム開発 / 協調学習 / 主体的・対話的で深い学び |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス感染症の経験から,感染防止のためのオンライン授業や分散登校など,教室を前提とせずに生徒(学生)を深い学びに導く授業・学習環境の構築が急務となっている。本研究の目的は,教室(対面)およびオンラインで参加する生徒の混在を前提に,学習管理システムとWeb会議サービスを連動させ,教師が(非)同期の個別および協調的な学習活動を組み合わせ,各活動での生徒の学習状況・進捗を把握し,適時な指導・支援を可能にするHyFlex (Hybrid-Flexible) 型授業・学習環境を実現し,実践的に評価することである。
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研究実績の概要 |
当該年度では,大きく①大学生がオンライン授業に取り組む際の課題の調査と②HyFlex型授業・学習環境の構築に向けMoodleと連携する授業支援システム基盤の開発を行った. ①では,学部1年生を対象に同期型のオンライン授業に対する課題の認識を明らかにするため,実践したオンライン授業のレポート課題を対象に計量テキスト分析を行った.その結果,A)身体への負担と集中を維持する難しさ,B) 在宅学習のよさと相容れない交流機会の欠如,C)学習環境に配慮したZoom機能の効果的な活用,D)デジタルデータへの適応の差異,E) システム上でのコミュニケーションの取りづらさ,F)通信環境がオンライン出席に及ぼす正負の影響の6つの課題の観点が抽出された.また,以上の6つの観点を含めた大学生の認識は様々で,どちらかに肯定的または否定的で一貫しているわけではないことが明らかになった.また,これとは別の大学でハイブリッド型授業の実践を行い,②のシステム設計・開発に向けた課題の整理を行った. ②では,HyFlex型授業・学習環境の構築に向け,オンライン会議サービスと同等の機能の実装方法の検討を行い Amazon Chime SDK を採用した.次に,Moodle と連携して同オンライン会議サービスの機能を利用できる授業支援システムの基盤を開発した.また,Zoom におけるブレイクアウトルーム機能と同等の機能を開発してシステムに追加した.SDK からリアルタイムに取得できる各種ログを収集する機能も実装し,取得できる各種ログから教師に可視化できるグループワークの可視化要素の指標を設計した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の目的は,教室およびオンラインで参加する生徒の混在を前提に,学習管理システムとWeb会議サービスを連動させ,教師が(非)同期の個別および協調的な学習活動を組み合わせ,各活動での生徒の学習状況・進捗を把握し,適時な指導・支援を可能にするハイフレックス(ハイブリッド)型授業・学習環境を実現し,実践的に評価することである.この目的の達成に向け,当該年度では①で示したように授業にオンラインで参加する学生の認識を調査によって明らかにし,また実際にハイブリッド型授業の実践を行うなどして課題の整理を行った.また,②で示したようにハイフレックス(ハイブリッド)型授業・学習環境の構築に向けて Moodleと連携してオンライン会議サービスの機能を利用できる授業支援システムの基盤を開発した.また,ハイフレックス(ハイブリッド)型授業における教師の授業運営(ハイフレックス・オーケストレーション)を支援するダッシュボードの開発に向け,同オンライン会議サービスから取得できる各種ログを活用した可視化項目の設計を行った.以上から,本研究の目的の達成に向けておおむね順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
次年度では,これまでに得られたハイフレックス(・ハイブリッド)型授業の課題の知見を踏まえ,ハイブリッドなグループワークを支援する機能とグループワークの状況を教師にリアルタイムに可視化するダッシュボードの開発を行う.そして,開発したシステムを使ったハイフレックス(・ハイブリッド)型授業の実践を行う.以上の2つの研究を推進することにより,本研究課題の目的であるハイフレックス(・ハイブリッド)型授業・学習環境を構築と実践の評価に向けた進展が期待される.また,一連の開発と実践から得られたデータを分析することで,ハイフレックスオーケストレーションの実現に向けた理論の構築を行う予定である.
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