研究課題/領域番号 |
21H00904
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
菅本 一臣 大阪大学, 大学院工学研究科, 招へい教授 (40294061)
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研究分担者 |
島田 昌一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20216063)
玉城 雅史 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (90837535)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2021年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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キーワード | バーチャルリアリティー / 臓器3次元形状 / 骨関節3次元動態 / ビッグデータ / バーチャルリアリティ |
研究開始時の研究の概要 |
1.人体臓器のCG化 上述したように人体臓器の3次元形状ビッグデータはすでに取得している この情報を用いて、まず臓器の平均形状モデルをコンピュータグラフィックスで作成する。2. VRシステム開発 上記で作成した人体臓器3次元モデルをVR上で閲覧できるようにシステムを構築する 3.解剖学教育の教育効果判定 今回提案する人体解剖学教育ツールとしてのVRシステムが医学生の解剖学教育に実際にどのように役立っているかを判定する。その際に、研究分担者は当大学の解剖学教室の教授であるが、学生の解剖学の通常の授業と、今回提案するVRを用いた授業においてそれぞれの学習効果を判定する。
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研究実績の概要 |
従来の解剖学書および運動学書には重要な欠点があった。3次元構造をした人体臓器構造を学ぶことや骨関節を中心とした3次元の体の動きを理解させるには不十分であった。そのうえ、従来の解剖学書は屍体を用いられているが、生きた人間の臓器3次元形状および骨関節の3次元動態を学べるものではなかった。これらの問題点を克服するために、医療以外で多く用いられているVRシステムを用いて教育を行うためのVR作成を目指した。その中で我々の教室ではMRIを用いた画像解析システムを独自に開発しているが、本研究手法を用いることにより臓器の半自動的データ抽出が可能となり、臓器の3次元形状を求めることができる。また多肢位で撮影した画像デー タから生きた人間における骨関節の3次元動態を世界で初めて解析できるようになっている。その技術を用いて1. 人体臓器のコンピュータグラフィック化 上述したように人体臓器の3次元形状ビッグデータはすでに取得しているので、この情報を用いて、まず臓器の平均形状モデルをコンピュータグラフィックスで作成した。2. VRシステム開発 上記で作成した人体臓器3次元モデルをVR上で閲覧できるようにシステムを構築した。それらを統合させることによって、運動学をVRで学ぶ教育ツールを完成させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究計画ではVRを用いた革新的な解剖学運動学教育ツールを作成することを目的としていて、それを達成するためには人体の臓器形状および、骨関節3次元動態のビッグデータを取得している必要があった。膨大なデータを我々の施設ではすでに取得していたが、一部のデータは欠損しており、そのデータの収集のためには健常ボランティアを集めて、各被験者にMRI撮影を行い、そのデータを追加する必要があった。しかし、残念なことに一昨年から発生した予期もしないコロナ禍により、1)被験者を公募しても集まらない。2)コロナによるクラスター発生を嫌ってMRI撮影施設を借りることができない。という想定外のことが起きてしまった。幸いにして2022年に入り幾分コロナ禍が終息する兆しがみられていて、MRI撮影も順調に行うことができ、不足していたデータも収集もほぼ完了している。最終的にMRI撮影は一年半の遅れとなったが、不幸中の幸いでこの間は遅れた研究を取り返すための様々な工夫が提案されており、それによって提案した研究は現時点では1年遅れとはなるものの、それを完了できる見通しとなっている。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍によって一年遅れとはなったものの、現在不足していたMRIデータは順調に集めることができた。これをもとに、「運動学VR」を作成した。完成された「運動学VR」は人間の生きた骨関節の3次元の動きをヘッドマウントディスプレーで学ぶことができるもので、今後はその教育効果判定も開始する予定である。また今後作成予定の「解剖学VR」に必要なMRI画像データは今回のMRI撮影の際に同時にほぼ取得できていることになり、「解剖学VR」 を作成する予定としている。一年を延期せざるを得なかった半面、どのような「解剖学VR」を作成すべきかがさまざまに検討されたが、当初の研究計画では単に人体を次元化したもののみを作成予定であった。しかし、対象となる学生が医療系学生であるために将来の医療画像(CTやMRI、超音波装置など)に精通できるように、人体の断面画像の閲覧も同時にできるようにVRの開発を行う予定である。
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