研究課題/領域番号 |
21H01018
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
是枝 聡肇 立命館大学, 理工学部, 教授 (40323878)
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研究分担者 |
藤井 康裕 立命館大学, 理工学部, 講師 (50432050)
野竹 孝志 石巻専修大学, 理工学部, 准教授 (70413995)
大野 誠吾 東北大学, 理学研究科, 助教 (70435634)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
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キーワード | フォノン / コヒーレントフォノン / カイラルフォノン / ラマン散乱 / テラヘルツ波 / カイラル結晶 / フォノン角運動量 / フォノンスピン / フォノン渦 / 円偏光テラヘルツ波 / 光渦 / 誘導ラマン散乱 / 円偏光 / 光の角運動量 |
研究開始時の研究の概要 |
物質中の原子振動の量子であるフォノンは,これまでエネルギーと結晶運動量のみを担うものと考えられてきた.しかし近年,フォノンがスピンや軌道の角運動量を持ち,非磁性体においてもフォノンが磁性を担うことなどが明らかになってきた.本研究は,光とテラヘルツ波を駆使して,フォノンスピン,フォノン渦をコヒーレントに励振すること,および,これらと磁気的な素励起との協奏による新しい物性の開拓を目的とする.
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研究成果の概要 |
α水晶における自然円偏光ラマン散乱実験の結果,実際に光子と角運動量を授受するラマン過程が許容となるフォノンモードが多数見いだされ,光子とフォノンとが角運動量を授受し,ラマン選択則において角運動量保存則が必要であることを見いだした.テラヘルツ波の波面制御ではモアレ構造による光渦配列の発生や集光光学系においたカイラル構造により光がトポロジカルチャージを獲得することなどを実験的に確認した.後進波パラメトリック過程を用いて0.3Thz帯のサブテラヘルツ波の超高感度検出やカスケード波長変換に関する基幹技術を確立できた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
角運動量(擬角運動量)を持つフォノンはカイラルフォノンと呼ばれるようになった.カイラルフォノンは磁場を感じると考えられるため,物質中に電子由来の磁気モーメントや磁気的秩序が存在すれば,これらと強く相互作用することが期待され,フォノン物性の立場から,電気・磁気・スピン・熱デバイス応用に対するまったく新しい原理的アプローチを提案できると考える.非磁性体でのコヒーレントフォノン角運動量状態の励振を端緒とし,スピン的and/or軌道的フォノンとスピン波(マグノン)との相互作用を通した,誘電的・磁気的秩序の制御などへとつながる基礎的知見を収集できたと考える.
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