研究課題/領域番号 |
21H01019
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
|
研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
若林 克法 関西学院大学, 工学部, 教授 (50325156)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2021年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
|
キーワード | 原子膜物質 / 非線形光学応答 / トポロジカル物質 / グラフェン / 遷移金属ダイカルコゲナイド / フォトニック結晶 / 二次元物質 / エッジ状態 / シフト電流 / エネルギーハーベスティング / 2.5次元物質 / スピントロニクス / 光学応答 / 高次トポロジカル状態 / NbSe2 / 円偏光 / 電子輸送現象 / ザック位相 / 光応答 / SSH模型 / ナノリボン |
研究開始時の研究の概要 |
グラフェンなどの系の厚さが一原子層である原子膜物質では、エッジや表面などによって、特異な電子物性が発現する。さらに近年、物質科学をトポロジー(位相幾何学)の概念で捉え直すことで、物質の境界面に特異な局在状態が出現することが指摘されている。これらトポロジカルに保護された状態は、新しい電子・光デバイス設計への源泉となるものである。 本研究では、二次元原子膜の電子波動関数が有するトポロジーに着目し、物質の機能を設計する理論を整備する。原子膜物理とフォトニクスを分野横断する研究を推進し、新しい光・電子デバイスの基盤となる基礎物性の理論的解明を行ない、「トポロジカル機能設計」の基礎学理の構築に貢献する。
|
研究成果の概要 |
近年、物質科学をトポロジー(位相幾何学)という数学概念で捉え直すことで、結晶中のブロッホ電子が有する波動関数の位相情報によって、エッジ・ヒンジ・コーナーなどの物質境界に出現する特異な局在状態が規定されることがわかってきている。本研究では、二次元原子膜の電子波動関数が有するトポロジーに着目し、物質の機能探索や設計を行なった。原子膜物質の非線形光学応答を活用した電荷・スピン流の光学的駆動、新しい二次元物質であるbiphenylene network (BPN)から着想を得たフォトニック結晶を設計した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題によって、二次元原子膜物理からフォトニック系にわたる、新たなトポロジカル状態の発見や制御の指針を明らかにした。TMDC膜と光との相互作用に着目し、光照射による電子励起を活用したスピン状態の生成と制御機構を提案した。特に、可視光領域での励起が可能であるため、今後エネルギーハーベスティングデバイス応用が期待される。さらに、BPNフォトニック結晶を活用することで、散逸の少ない電磁場通信デバイスへの応用が期待される。これらの成果は、「トポロジカル機能設計」の基礎学理の構築に貢献するものである。
|