研究課題/領域番号 |
21H01030
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高橋 英史 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 講師 (50748473)
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研究分担者 |
中埜 彰俊 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (50842613)
秋葉 和人 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 助教 (60824026)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
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キーワード | 極性金属 / 半金属 / 超伝導 / ピエゾ効果 / 熱電効果 / 遷移金属カルコゲナイド / 圧電効果 |
研究開始時の研究の概要 |
極性構造を持つ絶縁体は、結晶内の分極による強誘電性や圧電性のような機能が発現する。一方で金属の場合、結晶内の分極は伝導電子による遮蔽効果のため、強誘電性のような機能を持たない。しかし、極性構造に由来したフォノンがゆらぐ場合には、そのゆらぎに起因して伝導電子が影響を受け、その効果が外部応答として発現する可能性がある。実際近年、極性構造の構造ゆらぎ(極性フォノン)に由来した、巨大熱電効果や金属材料での逆ピエゾ効果が観測されている。本研究では、さらなる応答の巨大化や極性構造の新機能の創出を目指し研究を行う。
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研究実績の概要 |
固体物質では結晶構造の空間反転対称性の破れに起因し分極(極性)を持つ物質がある。この分極に起因して、絶縁体材料では強誘電性や圧電性が生じる。また磁性を持つ材料では、磁性と強誘電性が相関したマルチフェロイック材料がこれまで盛んに研究されてきた。一方で、金属における極性構造の影響についての研究は少なく、特に、極性構造に由来した分極が生み出す機能性はこれまであまり報告されていない。しかしながら、静的な分極の影響は無くても、動的な分極の影響を伝導電子が受ける可能性ある。このような観点のもと本研究では極性金属の合成と新奇現象の開拓を試みた。その中で、極性構造-非極性構造の構造不安定性を持つ、3元系化合物の合成に成功した。さらにこの材料において、2K付近で超伝導転移を示すことを明らかにした。そして、この超伝導の性質を調べるため、0.3Kまでの極低温での磁場依存性や、表面を削ることによる表面依存性や厚み依存性の測定を行った。その結果、超伝導はバルクではなく表面で生じていることが示唆された。また、極性構造に由来した、ラッシュバ型のスピン分裂が予想され、それに起因した異方的な臨界磁場が観測された。さらに、バンド計算からは、ディラック点やワイル点を持つトポロジカルなバンド構造が示唆されており、このトポロジカルなバンド構造に由来した表面超伝導の可能性がある。その他にも。極性金属MoTe2、トポロジカル半金属VTe2、トリビアルな半金属TiTe2における動的ピエゾ効果に似た電気-機械応答の観測を試みた。その結果、MoTe2及びVTe2では有限な応答を観測し、金属においても誘電性が現れることを明らかにしている。一方でその定量性やバンド構造と金属での誘電応答の相関については明らかになっておらずその解明が今後の課題である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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