研究課題/領域番号 |
21H01035
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉田 紘行 北海道大学, 理学研究院, 教授 (30566758)
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研究分担者 |
鳴海 康雄 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (50360615)
井原 慶彦 北海道大学, 理学研究院, 講師 (80598491)
石井 裕人 東京大学, 物性研究所, 助教 (40897211)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
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キーワード | ブリージングカゴメ反強磁性体 / 磁化プラトー / カゴメ反強磁性体 / ブリージング異方性 / 1/9プラトー |
研究開始時の研究の概要 |
Li2Cr3SbO8は我々の先行研究によりカゴメ反強磁性体で初めて1/9磁化プラトーを示す事が見出された物質である。本物質でブリージング異方性によって誘起される磁化プラトー状態は、古典スピン系でありながら強いフラストレーション由来の揺らぎに支配されたスピン液体として記述できる事が明らかとなってきた。本課題ではLi2Cr3SbO8を対象とし、代表者による試料合成、研究分担者による極限環境下物性測定、先端パルスNMR測定を有機的に融合し、スピン量子数とブリージング異方性を制御することで、未知の量子状態の探索やスピン液体形成メカニズムの解明に迫り、カゴメ反強磁性体研究の新たなフロンティアを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題は1/9磁化プラトーを示す古典カゴメ反強磁性体Li2Cr3SbO8においてブリージング異方性および量子性を摂動パラメータとして制御し、それらが磁気状態にどのような影響を与えるのかを明らかにし、カゴメ反強磁性体研究の新たなフロンティアの開拓を目指すものである。 2023年度はフラックスの選定をはじめとする結晶育成条件を最適化することで、最大で500 μmの単結晶を得ることに成功した。X線回折実験により複数の単結晶試料の結晶方位を揃えることで、磁気異方性および精密比熱測定を行うことに初めて成功した。その結果、本物質の異方性は非常に小さいことを明らかにした。興味深いことに、理論的考察から、本物質の零磁場基底状態の磁気構造がボンド磁気トロイダル双極子の渦がなすフェリ秩序として理解できることが明らかになった。このことは、本物質において非従来型の磁気光学効果が生じることを示唆している。幸い、単結晶が得られたことにより光学実験が可能となったため、期間終了後も継続して研究を進めることで、発展的課題として本物質のブリージング性に起因する特異な磁気光学効果の開拓が期待される。 Li2Cr3SbO8のCr3+イオン(S = 3/2)をより大きなスピンを有するMn3+(S = 2)とFe3+(S = 5/2)に置換した関連物質の物性評価を進めた。特に、強磁場磁化測定の結果、これらの物質では1/9磁化プラトーは生じないことが明らかになった。現時点で、MnおよびFe化合物のブリージング異方性の大きさや磁気相互作用ネットワークの詳細等の評価には至っていないが、精密物性計測と理論解析を継続して行い、Crの物性と比較することで、ブリージングカゴメ反強磁性体の異常磁気特性の総合的な理解につながると期待される。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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