研究課題/領域番号 |
21H01040
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大道 英二 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (00323634)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 電子スピン共鳴 / テラヘルツ波 / 時間分解測定 / 反応中間体 / 整数スピン / 遷移金属イオン / 時間分解電子スピン共鳴 / 整数スピン系 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では光触媒反応や金属タンパク質酵素反応において重要な役割を担っている整数スピン(S=1,2..)系に対し、時間分解電子スピン共鳴(Time-resolved ESR)測定を可能にする新しい装置開発を行う。この目的のため、透過型テラヘルツESR測定系にナノ秒パルスレーザーと高速検出器を組み合わせた測定系を構築する。この装置開発によりこれまで未開拓であった遷移金属イオンに由来する整数スピン反応中間体の補足が可能になり、その時間発展を明らかにすることができる。
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研究成果の概要 |
テラヘルツ領域における時間分解電子スピン共鳴測定法の確立に向け、ナノ秒パルスレーザーとテラヘルツ波を組み合わせた測定系の構築を進めた。低温環境下において、約10 ns程度の時間分解能を有したESR測定系を構築した。また、ESR測定の高感度化に向け、テラヘルツ波を増強するための平面金属アンテナ構造を作製した。シミュレーション結果から広帯域で100 倍程度の振動磁場増強が得られる結果を得た。測定対象としてアルツハイマー病原因物質のアミロイドβと鉄イオンの結合状態に着目した。試料調製法を確立し、整数スピン状態の鉄イオンがアミロイドβと結合していることを示唆する結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
時間分解電子スピン共鳴法はマイクロ秒の時間分解能で短寿命反応中間体を捕捉できる優れた分光法である。しかし、従来法ではXバンド帯で測定を行っていることからゼロ磁場分裂と呼ばれるエネルギーギャップを持つような整数スピン状態に対しては測定が不可能であった。しかし、多くの遷移金属イオン(Cr4+、Mn3+、Fe4+、Fe2+、Ni2+)では整数スピン状態をとり、触媒・酵素反応において極めて重要な役割を担っていることが知られている。本研究により未開拓であった遷移金属イオンの時間分解電子スピン共鳴測定が可能になれば光触媒反応や金属タンパク質酵素反応の反応機構解明に向けた手掛かりを得ることが可能になる。
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