研究課題/領域番号 |
21H01044
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
田村 隆治 東京理科大学, 先進工学部マテリアル創成工学科, 教授 (50307708)
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研究分担者 |
杉本 貴則 大阪大学, 量子情報・量子生命研究センター, 特任准教授(常勤) (70735662)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
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キーワード | 準結晶 / 近似結晶 / 正20面体 / スピン正20面体 / 磁性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は実験と理論計算からの2本柱からなり、実験では、ハイゼンベルク系(Gd系)及びイジング系(Tb系)のスピン正20面体結晶を合成し、平均価電子数と基底状態の関係を明らかにする。得られた新規の磁気秩序相については中性子回折実験により正20面体上のスピン配列を決定する。理論では、まずRKKY相互作用と1イオン異方性を考慮した古典モンテカルロ計算と近似的解析計算を行い、実験と比較することで、観測された磁気状態の解明、高次多面体におけるスピンアイスなどの特異な磁気状態の探索、および、有効磁気模型の精密化を図る。これにより、スピン正20面体の基礎学理の基盤構築を目指す。
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研究成果の概要 |
近年、希土類スピン正20面体がどのような特異な性質を示すか大変興味が持たれている。本研究では、Au系化合物を舞台に希土類スピン正20面体の磁性、特に磁気構造を詳しく調べた。代表的な成果としては、Au/Ga比のわずかに異なる一連のAu-Ga-Tb化合物を合成し、強磁性・反強磁性・スピングラス相の存在を明らかにするとともに、中性子回折実験により、すべての磁気秩序を決定した。その結果、正20面体の対称性を直接に反映した渦巻き強磁性秩序と渦巻き反強磁性秩序の存在が突き止められた。一方、理論面では、実験との比較が可能な磁化過程や比熱をシミュレートし、スピン20面体の磁性を理解する学術基盤を整えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
正20面体は正12面体とともにプラトンの多面体として古くから知られているが、その物性に関する理解は現代に至るまで遅々として進んでいなかった。本研究は、固体中の正20面体の物性(磁性)に関する実験的研究であることに学術的意義があり、本研究により、正20面体上の特異なスピン配列が解明された。また、正20面体上で見い出された非共面磁気構造を用いた新たな物性研究や応用研究が今後立ち上がることが期待される。
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