研究課題/領域番号 |
21H01046
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
齋藤 一弥 筑波大学, 数理物質系, 教授 (30195979)
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研究分担者 |
山村 泰久 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (80303337)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | ジャイロイド / 液晶 / エントロピー / 凝集構造 / スピンモデル / ジャングルジム / ねじれ / 自己集合 / キラリティー / ネットワーク / 熱力学 / 古典スピンモデル / 分子論 |
研究開始時の研究の概要 |
分子間相互作用の直接的到達範囲を遙かに超えた長い周期性がなぜ形成されるかという問いに迫ることを究極的な目標とする.実施者らのこれまでの研究成果を背景に,低分子物質が作るジャイロイド液晶相と,それに隣接する層状液晶相において,分子コアだけで無くアルキル鎖部分を含めた液晶分子の充填様式の解析を進め.高分子・液晶などがしばしば示す高次構造であるジャイロイド構造の形成機構の分子論の構築を行う.
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研究成果の概要 |
長年の未解決課題であった,棒状液晶分子が示すキラルキュービック相の構造解析が達成でき,隣接するジャイロイド相と類似の分子の捩れ配列と複数のドメインが存在しない事が明らかになった.これに基づき,ジャイロイド等の構造形成メカニズムとして,捩れ配列を骨格とする空間充填が同定された. 層状液晶相の分子凝集構造の詳細と物性が密接な関係を持つこと定量的に示された. ジャイロイド相の分子配列に基づいて策定された捩れ配列を好む無頭古典スピンモデルが,フラストレーションを伴わない基底状態の巨視的縮重,二次元での相転移,4次元での3段階秩序化など,興味深い挙動をすることが見出された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果は,液晶分子を棒と考えずに主要な内部構造を考慮することにより,凝集構造や物性の理解が飛躍することを示している.また,平衡状態における複雑な超構造(メゾスコピックな構造)の生成機構としては,これまでもっぱら相分離が考えられてきたが,今回の研究により相分離を伴わない機構が見出された.超構造形成や自己組織化の研究に,新しい視点をもたらした. また,派生的に得られたスピンモデルの統計的挙動は,長距離秩序を伴わない相転移が可能であることを示すことが興味深いだけで無く,有限系の「相転移」様挙動の可能性を示しており,工学的な応用の可能性も考え得る.
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