研究課題/領域番号 |
21H01055
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14010:プラズマ科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
間嶋 拓也 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50515038)
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研究分担者 |
寺本 高啓 大阪大学, 放射線科学基盤機構, 特任講師(常勤) (40467056)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
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キーワード | イオンビーム / MeV重イオン / 負イオン / クーロン爆発 / 高強度レーザー |
研究開始時の研究の概要 |
光吸収や粒子との衝突に伴って分子が解離するとき,負の電荷を持った解離イオンが生成されることがある.これは,最も基礎的な原子分子過程のひとつとして,これまで多くの研究が積み上げられてきた.これまでに知られている負解離イオンの生成過程は,主に, 解離性電子付着などの負の前駆体イオンから解離に至る過程と,高励起状態にある中性分子の正負イオンの対生成の二つに大別される.申請者は最近,高エネルギー重イオン衝突において,分子クーロン爆発に伴う新たな負解離イオン生成があることを発見した.本研究では,この新たな負イオン生成過程のメカニズムの解明を目的に,解離ダイナミクスや生成確率の情報を得る.
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研究成果の概要 |
高エネルギー重イオン衝突に伴う負イオン生成機構の解明を目的に,3次元運動量画像分光システムを構築した。最初に単純な気体分子標的の測定を行い、正負イオンの画像分光に最適なレンズ条件を決定した。その後、液体試料からの分子導入ラインを構築し、気相の水分子からの解離イオンの測定まで完了した。また、各解離イオン種の生成断面積の測定も行った。並行して、各種の多原子分子から生成される複数の負イオン種の質量分析を進めた。これに伴い、新たな遅延解離チャンネルを見いだした。高強度レーザーパルスを用いた実験では、リフレクトロン型飛行時間質量分析システムを用いて多光子イオン化実験を進めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高エネルギー荷電粒子との衝突や光吸収に伴って気相分子から正負の解離イオンが生成される過程は、最も基礎的な分子反応素過程のひとつとして、これまで多くの研究が積み上げられてきた。プラズマ中の気相反応や放射線化学・生物、大気化学、星間化学などにおける基礎過程として重要なだけでなく、原子・分子の電子状態を調べるための反応としても有効性が高い。本研究は高エネルギー重イオンと多原子分子の衝突系に着目し、同時測定などの高度な計測技術を展開して複雑な過程を明らかにすることにより、長い研究の歴史の中で見落とされていた新奇な過程に光を当てるものである。
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