研究課題/領域番号 |
21H01057
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14010:プラズマ科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
大原 渡 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (80312601)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | プラズマ・核融合 / イオン性プラズマ / 左手系媒質 / 水素イオン性プラズマ / ダイポール磁場 |
研究開始時の研究の概要 |
通常の電子-正イオンプラズマとは異なり,等質量荷電粒子運動に関連した時空間対称性から,独特の集団物性を示す媒質がペアプラズマである.分子状正イオンを含む水素正負イオンのみから成る水素イオン性プラズマは,ペアプラズマに準ずる集団物性を示す.本研究では,地磁気を有する惑星付近の環境である,流れのある水素プラズマ中にダイポール磁場が形成されている場合に,磁場に保護された水素イオン性プラズマが自然に形成され得るのかを明らかにする.また,水素イオン性プラズマが周波数帯域に依存して,後進波を含む左手系媒質の性質を示すのかを明らかにする.
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研究成果の概要 |
偏向磁場を横切って水素プラズマをAl電極へ照射して生成されたイオン性プラズマ中で,励起された静電波には後進波も存在した.しかし,水素分子正イオン以外の分子イオンが混在して,このイオンの崩壊に伴って電子やH-が局所空間で生成されることが明らかになった.プリカーサの存在は望ましくないため,これ以上の伝搬特性解明は保留した.磁化された小惑星を模擬したAl球電極を,太陽風を模擬した水素プラズマ流に晒した.地球のバン・アレン帯に相当する領域では負イオンの存在割合は少なく,極域から磁力線に沿って夜側領域へ負イオンが流出していることが明らかになった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素プラズマをAl電極へ照射すると水素負イオン(H-)が生成される機構は,以前から不明であった.水素化アルミ分子と予想されるプリカーサの崩壊に伴ってH-が生成されるという,新たな水素負イオン生成機構の解明が進んだ.磁化された小惑星表面付近で負イオンが生成される場合に,磁場に守られて負イオンが安定してどこに多く存在できるのかを明らかにした.独特の波動伝搬特性を持つ媒体である水素イオン性プラズマが宇宙で自然に形成され得るのか,という問いに答えようとする試みである.
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