研究課題/領域番号 |
21H01083
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山田 章一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80251403)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 大質量星 / 重力崩壊 / 超新星 / ブラックホール / ニュートリノ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、形成時の質量が太陽の約10 倍以上であるような大質量星が、準静的進化の後にコアの重力崩壊により超新星爆発を起こすかあるいはそれに失敗し、中性子星またはブラックホールを形成するに至るまでの一連の進化を、第一原理的計算とそれにより較正された物理モデルを組み込んだ現象論的計算とを組み合わせる事によって、定量的に明らかにすることを目的とする。その際、星の自転と一般相対論をフルに考慮する。また、ニュートリノや重力波といった観測可能量についても定量的な評価を行い、将来実際に検出があった場合に核物質の状態方程式や親星の角運動量などに定量的な制限がつけられるようにする。
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研究実績の概要 |
研究課題2. コアの重力崩壊と超新星爆発またはその失敗における自転と一般相対論の影響の研究 これまでに開発してきたボルツマンソルバー、アインシュタインソルバー、流体力学ソルバーを統合し、軸対称2次元の第1原理計算を行い、超新星爆発のダイナミクスに対する一般相対論的重力と自転の影響を定量的に明らかにすることを目指している。本年度は、時空の計量は固定し、流体運動とニュートリノ輸送を一般相対論的に計算し、対流がどのように起こるかを定量的に調べ、論文として発表した。現在は原始中性子星のさまざまな冷却段階に拡張し、特に原子核物質の対称エネルギーの安定性への影響を系統的に研究している。また、球座標上で定式化したBSSN型式とimplicit Runge-Kutta法によるアインシュタイン方程式ソルバーのテスト計算を進めた。特に球対称下でのブラックホール形成に関する先行研究および申請者が所有する球対称コードによる原始中性子星の重力崩壊計算との詳細で定量的な比較を行った。現在ボルツマンコードとの結合を行っているところである 研究課題1. 自転を考慮した大質量星の主系列から鉄コアの重力崩壊直前までの準静的進化の計算 研究課題3. 自転する原始中性子星の準静的冷却とブラックホール形成の研究 これまで角度平均をとり1次元で計算されてきた高速自転する星の進化計算を質的に改善するべくこれまで取り組んできた、独自のラグランジュ的定式化に基づく、ニュートン力学的平衡形状と一般相対論的平衡形状の数値的作成が完成し、それぞれ一編ずつの論文として発表した。また、そこで開発した多変数非線形代数方程式の新たな数値計算法についても論文として発表した。現在ニュートン力学版は高速自転する白色矮星の冷却計算に応用しているところで、一般相対論版は原始中性子星冷却への応用を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に行なった主要課題2におけるテスト計算の際に当初予期しなかった数値計算上の問題が生じたため、繰越しを行い対処した。問題は初年度中に概ね解決し、その後は順調に進んでおり、今年度終了時点で概ね当初予定していたところに到達している。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況で述べたように、当初の遅れは概ね解消し、開発を進めてきたものについても概ね完成を見たので、今後は軸足を応用に移すことになる。今のところ大きな問題は想定されないので、新たな方策は必要ないと考えている。数値計算が主なので、今後も問題が発生しないとは言い切れないが、個別に対応していくことで十分であると考える。
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