• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ハミルトニアン形式を用いた非平衡及び高密度QCDの研究

研究課題

研究課題/領域番号 21H01084
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

日高 義将  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (00425604)

研究分担者 早田 智也  慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 助教 (50762655)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
キーワードハミルトニアン形式 / ゲージ理論 / QCD
研究開始時の研究の概要

極限状態におけるハドロン多体系の物理における2つの未解決問題: ハドロンの非平衡ダイナミクス及び,高密度ハドロン物質の相構造の理解の問題の定性的理解を目指す.これらの状態の理解は宇宙初期の時間発展,高エネルギー重イオン衝突の物理や中性子星の内部がどのような状態になりどのような状態方程式が実現されるかを理解する上で重要になる.格子上のハミルトニアン形式を用いて,その実時間発展や高密度状態を数値シミュレーションすることで,どのようにハドロンが熱平衡状態にいたるか,高密度ハドロンの相構造はどのようになるか明らかにする.

研究実績の概要

(1+1)次元系のQCDの有限密度の問題に取り組んだ. (1+1)次元系では,グルーオンのダイナミカルな自由度が存在しない.そのため,適切なユニタリ変換を施すことで,フェルミオンのみの自由度で書かれたハミルトニアンに変換することができる.また,フェルミオンをスピン系に変換する手法を用いることで,問題は,(1+1)次元のスピン系の問題に帰着することができる.さらに,(1+1)次元系では,密度演算子のくりこみ群の手法が有効である.我々は,SU(2)及びSU(3)の(1+1)次元QCDをスピン系に変換し,開放端境界条件のもと,密度演算子くりこみ群を用いて解析した.我々は,状態方程式や,密度分布,カイラル凝縮や分布関数の振る舞いを調べることで,有限密度QCDの振る舞いを考察することができた.まず,開放端境界条件の有限密度では,SU(2),SU(3)ともに非一様相が実現することがわかった.また,SU(2)QCDでは,分布関数の振る舞いが,BEC/BCSクロスオーバーと類似した振る舞いを示していることがわかった.ここで,BECはボーズアインシュタイン凝縮,BCSはバーディーン-クーパー-シュリーファーの頭文字を表す.興味深いことに,SU(3)QCDに関しても同様の分布関数の振る舞いが確認された.
高次元への拡張として,ハニカム格子上の(2+1)次元SU(2)ゲージ理論の定式化に取り組んだ.定式化は完了し,小さい自由度の場合には,厳密対角化を用いた数値計算もうまくいくことがわかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(1+1)次元のQCDの性質を調べる研究がうまくいっているため.また,SU(3)におけるガウスの拘束条件を解いて,具体的なヒルベルト空間を構成する方法も出来上がりつつある.

今後の研究の推進方策

まず,(1+1)次元QCDの研究成果を論文にまとめる.並行して,高次元への拡張の研究及び,(1+1)次元QCDの実時間発展の問題に取り組む.

報告書

(2件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 5件)

  • [雑誌論文] Thermalization of Yang-Mills theory in a (3+1)-dimensional small lattice system2021

    • 著者名/発表者名
      Hayata Tomoya, Hidaka Yoshimasa
    • 雑誌名

      Physical Review D

      巻: 103 号: 9

    • DOI

      10.1103/physrevd.103.094502

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Diagnosis of information scrambling from Hamiltonian evolution under decoherence2021

    • 著者名/発表者名
      Hayata Tomoya, Hidaka Yoshimasa, Kikuchi Yuta
    • 雑誌名

      Physical Review D

      巻: 104 号: 7

    • DOI

      10.1103/physrevd.104.074518

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] String net formulation of Hamiltonian Lattice QCD2023

    • 著者名/発表者名
      日高義将
    • 学会等名
      日本物理学会2023年春季大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ハミルトニアン形式を用いた格子ゲージ理論2022

    • 著者名/発表者名
      日高義将
    • 学会等名
      格子上の場の理論と連続空間上の場の理論
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 非可換ゲージ理論のハミルトニアン形式2022

    • 著者名/発表者名
      日高義将
    • 学会等名
      場の理論の新しい計算方法2022
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Yang-Mills code2022

    • 著者名/発表者名
      日高義将
    • 学会等名
      国内モレキュール型研究会「場の理論の量子計算2022」2022/02
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] My vision for the future of hadron physics2021

    • 著者名/発表者名
      Yoshimasa Hidaka
    • 学会等名
      Online Workshop on Physics at the J-PARC K10 Beam line
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ハドロンとは何か? J-PARC実験で拓くハドロン物理の新展開2021

    • 著者名/発表者名
      日高義将
    • 学会等名
      日本物理学会2021年秋季大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi