研究課題/領域番号 |
21H01094
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
平木 貴宏 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特任助教 (40791223)
|
研究分担者 |
依田 芳卓 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 精密分光推進室, 主幹研究員 (90240366)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
|
キーワード | トリウム229 / 原子核実験 / 極低エネルギー準位 / SPring-8 |
研究開始時の研究の概要 |
トリウムの同位体229Thは、原子核としては8eV程度と特異的に低い励起エネルギーの第一励起状態を持つ。そのため、真空紫外レーザーによる励起が可能で、原子核時計のような原子物理の手法を用いた様々な応用が期待されている。しかし、これまでの世界的、精力的な探索にも関わらず、229Th第一励起状態へのレーザー励起と励起状態からの脱励起光観測は実現していない。本研究では核共鳴散乱を用いた独自の手法を用いて脱励起光を観測し、第一励起エネルギーの世界最高精度の測定と、世界初となる第一励起状態の光学遷移寿命測定を目指す。観測がされなかった場合には、第一励起状態の寿命についての制限を付ける。
|
研究実績の概要 |
今年度共同研究しているウィーン工科大学のグループからこれまでより高濃度、高品質のTh229-doped CaF2結晶を入手した。この結晶を使用し、SPring-8のBL19LXUにてTh229原子核第一励起状態からの真空紫外光探索実験を行った。一定時間ビームを照射し、照射を止めて結晶からの発光を観測する。X線ビームの入射エネルギーをビームラインに設置されたSiモノクロメータを用いて変えながら、半減期80psで脱励起する第二励起状態を経由して生成された第一励起状態からの脱励起真空紫外光の発光数を確認した。その結果第二励起状態へ共鳴するエネルギー付近で信号数が増大し、第一励起状態からの信号が観測された。 また、ビーム照射によるCaF2結晶標的の発光のため背景事象は時間依存性があるが、X線ビームの共鳴条件と非共鳴条件の時の観測事象数の差をとることで差分の時間分布から第一励起状態の寿命を測定した。更に、真空紫外領域のバンドパスフィルターを使用し、フィルターの有無で信号強度を比較することで真空紫外光の波長を約0.4 nmの精度で決定した。 第一励起状態からの脱励起真空紫外光の強度のビーム照射時間依存性を測定したところ、ビーム照射中は寿命がビーム照射後と比べ著しく短いことが判明した。これは研究開始時には予測しておらず、詳細なメカニズムも不明であるがビーム照射中の寿命にビーム強度依存性があることを確認した。 研究代表者は国際会議HYPERFINE2023のproceedingsに測定器の性能評価をまとめた。また、上記の物理結果は研究代表者が筆頭著者の論文にまとめ、雑誌に投稿した。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|