研究課題/領域番号 |
21H01096
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
|
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
村田 次郎 立教大学, 理学部, 教授 (50360649)
|
研究分担者 |
Zeidler Simon 立教大学, 理学部, 助教 (80773598)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
|
キーワード | 重力 / 逆二乗則 / 余剰次元 / 近距離重力実験 / 対称性 / 近距離重力 / 逆二乗測 / 重力の量子化 / ローレンツ対称性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「重力の逆二乗則の破れ」の探索により余剰次元の発見を目指す。万有引力の法則は、近代科学の出発点に位置する金字塔であり、現在もパラダイムシフトを起こすと期待される最有力候補である。今日でも重力の法則が高精度で実験検証されているのは惑星スケールに限定されており、ミクロや宇宙論的スケールにおいては実験・観測情報は皆無と言ってよく、大発見が期待される。余剰次元の予言に代表される、逆二乗則の実験検証をリードしてきたこれまでの実績の上に立ち、重力精密検証の分野で世界を独走態勢でリードする事を目指す。具体的には、最も新現象が見られると期待されるミクロンスケールでの逆二乗則の破れの探索を実行する。
|
研究実績の概要 |
重力の決定的な弱さの謎、量子化の困難に突破口を与えうる実験的兆候を探すべく、主にミクロンスケールにおける重力の逆二乗則の検証実験を進めた。前年度までにNewton-Vを改良し、特に重力源とセンサーである50ミクロンのワイヤーを接近させる事に成功した。これにより近距離における逆二乗則検証の精度が大幅に高まり、未検証領域まであと1桁に迫るところまで検証精度を高めることに成功した。検証精度のボトルネックとなっていたアトラクターの軸ブレに対し、測定方法を工夫する事でこの影響を抑制する事が出来た。 また、ワイヤーカンチレバーの位置測定に関して、レーザー干渉型変位計の感度が10倍高いものを新たに導入し、センサー由来の分解能の悪化要因を抑える事が出来た。これによって現在、測定のボトルネックは軸ぶれ、センサー分解能を抑えた結果、地面振動が支配的となった。これを考慮し、池袋での地面振動環境が原因である事から、横須賀、松代、神岡にて地面振動レベルの測定と、実際のワイヤーカンチレバーの振動をレーザー干渉型変位計を用いて実測した。結果として振動レベルを1桁下げられる事が判明した。これを受けて、次年度は装置の小型化の後に移設作業を行う予定である。 また、余剰次元と並んで重力の量子化のもう一方の突破口であるローレンツ対称性の検証実験も原理検証の後に、本番のデータ収集を行う事が出来た。得られたデータは現在、解析中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画の通り、おおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
Newton-V本体を小型化して、松代への移設作業を行う。また、それと並行してワイヤーのバネ定数の評価方法を、計算から実測へと変更する。その為の校正測定装置一式を設計してこれを実装する。ローレンツ対称性の検証は物理測定が完了しており、物理解析を進めて結果を公表する。
|