研究課題/領域番号 |
21H01108
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
福田 努 名古屋大学, 高等研究院, 特任講師 (10444390)
|
研究分担者 |
佐藤 修 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 特任准教授 (20377964)
中平 武 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (30378575)
中家 剛 京都大学, 理学研究科, 教授 (50314175)
早戸 良成 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (60321535)
南野 彰宏 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (70511674)
三角 尚治 日本大学, 生産工学部, 准教授 (80408947)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
|
キーワード | ニュートリノ / 原子核乾板 / 電子ニュートリノ / グラフ理論 / ELPH加速器 |
研究開始時の研究の概要 |
標準的な3種類のニュートリノ振動の枠組みから外れたステライルニュートリノの存在を示唆する実験結果の報告が相次いでおり、早期の追証・決着が強く望まれている。 本研究ではJ-PARCニュートリノビームを使い、原子核乾板検出器で電子ニュートリノ反応を測定し、ステライルニュートリノへのニュートリノ振動を通した電子ニュートリノ超過を探索する実験の実現に向けて、東北大学電子光理学研究センターにて電子ビーム照射実験を実施し、原子核乾板検出器の電子に対する応答性能評価を行う。また、本番の1/10規模の検出器をJ-PARCに設置し、ニュートリノビーム照射実験を実施して、電子ニュートリノ反応断面積の測定を行う。
|
研究実績の概要 |
本年度は原子核乾板中の電子飛跡の再構成手法に大きな進展があった。 原子核乾板検出器は、大質量の実現(もしくは調査対象の標的物質)および荷電粒子の運動量測定という目的で原子核乾板と標的物質との積層構造となっているため、隣合う原子核乾板間には数mm程度のギャップができる。現在我々が対象としているSub-Multi GeV領域の低エネルギー電子ニュートリノ反応から放出される電子は、標的物質での多重電磁散乱が大きくなり、原子核乾板間の飛跡接続における接続条件に対する許容値が大きくなる。その結果、近くを通過する他の荷電粒子との誤接続が増える。また、制動放射に伴う電子対生成が起こった場合には、近くに同じような角度の飛跡が出現するため、同様に誤接続が増えてしまう。従来の解析では、誤接続による再構成失敗を避けるために、接続許容値内の全ての飛跡の組み合わせを接続する手法をとっていたため、低エネルギー電子の場合は、接続組み合わせ数が膨大になり、問題になっていた。これを解決するために、グラフ理論に基づいた新たな再構成手法を開発した。この新手法を実際のニュートリノ反応解析に適用し、電磁シャワーが作る膨大な誤接続を解消して正しい接続のみ抽出することに成功した。
また、J-PARCニュートリノ・モニター棟でのニュートリノビーム照射実験に向けての検出器準備を進め、10-11月に総標的質量250kgの原子核乾板検出器を設置し、11月下旬から実際にニュートリノビーム照射実験を開始した。ニュートリノビーム照射中の機器運用は大きなトラブルなく進行し、2月末に予定通りビーム照射を完了した。その後、実験で使用した大量の原子核乾板の回収作業・現像作業を完遂し、現在、自動飛跡読み取り装置によるデータ取得を進めている。今後、上記で開発した新解析手法も適用し、電子ニュートリノ反応断面積の測定を進めていく予定である。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|