研究課題/領域番号 |
21H01115
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
|
研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
新山 雅之 京都産業大学, 理学部, 教授 (90455361)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
|
キーワード | 原子核物理 / ハドロン物理 / ハドロン質量の起源 / 原子核物理学 / ハドロン物理学 |
研究開始時の研究の概要 |
我々の体重など物質の質量は99%が原子核の質量です。原子核を作る核子はクォークでできていますが、クォークの質量を足しても核子の質量は説明できず、核子の質量は強い相互作用が引き起こすクォーク凝縮によって生じていると考えられています。原子核中ではクォーク凝縮が変化し、クォークと反クォークでできた中間子の質量も変化すると予想されていますが、過去の実験データに不一致があるなど確証が得られていません。本研究では、先ずは過去の測定の問題点を解決する測定手法を確立することを目指しています。有効な手法が確立でき次第、原子核中での中間子の質量を測定し、核子の質量の起源について重要な測定データを示す予定です。
|
研究成果の概要 |
核子の質量の起源は真空中に凝縮したクォーク凝縮であるとされ,クォーク凝縮は環境の密度などによって変化し,ハドロンの質量も変化すると予想されている。しかし,密度変化によるハドロンの質量変化については確証が得られていない。本研究では,スプリングエイトで光子ビームを用いてρ(ロー)中間子の原子核中での質量を測定することを最終目標としている。そのために電磁カロリメーター検出器を増強し,電子・陽電子を識別するための準備を整えた。原子核中でρ中間子が崩壊した際に生じる電子・陽電子対の不変質量の測定を進めてゆくことで,原子核中でのρ中間子質量を明らかにするプロセスを確立できると考えている。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒッグス粒子の発見によって素粒子の質量の起源は広く知られるようになってきた。しかし,身の回りの物質の質量の起源であるハドロンの質量が強い相互作用によって生成されていることは社会的には認知されていない。本研究の最終目標である原子核中でのハドロンの質量の研究を進めることで,身の回りの質量の起源について認知度を上げることができる。本研究開始前には光子ビームでの実験を再検証できる施設は世界的に存在しなかったが,本研究によって検証実験の準備を進めることができた。
|