研究課題/領域番号 |
21H01127
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
金田 英宏 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (30301724)
|
研究分担者 |
大薮 進喜 徳島大学, 教養教育院, 准教授 (10396806)
和田 武彦 国立天文台, JASMINEプロジェクト, 准教授 (50312202)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
|
キーワード | 宇宙干渉計 / 遠赤外線 / 気球観測 |
研究開始時の研究の概要 |
世界初の宇宙遠赤外線干渉計を気球観測によって実現する。既存のFITE(Far-Infrared Interferometer Experiment)計画のリソースを引き継ぎ、姿勢制御や光学調整、アレイ検出器などの改良を行う。より一層にフィジビリティを高めるべく、干渉フリンジ検出機能を増強する。世界において、未だに遠赤外線干渉計による観測を成功させたグループは存在しない。ALMAやTMTなどの地上巨大望遠鏡に匹敵する空間分解能を、遠赤外線の波長域で得るには、1 km基線長の宇宙干渉計が必要である。本研究はその実現に向けたパスファインダーとして位置づけられる。
|
研究実績の概要 |
過去の気球干渉計実験では、観測現地での調整作業に時間がかかって、フライト機会を逃すという問題が発生していた。そこで、今年度は、フライト直前の現地調整を効率的に行えるように、既存の気球干渉計システムを用いて、干渉光学系の調整方式を確立し、そのための実証試験を行った。また、姿勢制御をより安定に行えるようなアルゴリズムの整備を進めた。
実験環境の整備を行い、技術支援者を雇用して作業を進めた。具体的には、まず、基線長約5 mの干渉計の大型光学系を、望遠鏡構体の構造から決定される軸(仰角軸)に合わせて調整する方式を確立した。続いて、その軸に対して45度で交わるように、基線長を定義する平面鏡の角度を調整した。さらに、その軸と光学系の基本軸の直交点を精密に設け、その点を基準として1次平面鏡を左右均等に設置した。この調整方式の有効性を確認すべく、必要な調整機構を設計および製作を行い、実証試験を実施した。その結果、左右の平面鏡の角度、および、2つの軸の直交点の位置は、気球干渉計の観測に必要な精度を満足する小さな値になることが確認できた。また、左右の平面鏡の位置調整により、約5 mの基線長に対して光路差を十分高い精度で調整できることを示した。以上の光学調整方式の開発と並行して、2次平面鏡の5軸調整のための駆動機構の開発を始めた。この機構は次年度に完成させ、光学調整試験に組み込む予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の影響で、実験の実施が困難な時期があったため。また、実験施設の改修があり、そのために作業を中断せざるを得ない期間も生じた。
|
今後の研究の推進方策 |
前年度に製造を開始した5軸調整機構を完成させ、2次平面鏡のマウント部に導入して、光学調整を実施する。軸外し放物面鏡を組み込み、干渉光学系全体として一通りの光学調整試験を行い、結果を評価する。なお、経年劣化により反射率が低下している鏡が存在するため、再蒸着・研磨を実施する予定である。また、整備されたアルゴリズムを用いて、3軸の姿勢制御試験を行い、従来性能からの改善を確認する。
|