研究課題/領域番号 |
21H01128
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
竹内 努 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (90436072)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
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キーワード | 理論天文学 / 銀河形成・進化 / 宇宙論 / 統計的学習理論 / 統計計算・コンピュータ支援統計 / 銀河形成 / 銀河進化 / 位相的データ解析 / 星間物質 / 大規模構造 / 宇宙磁場 / 星形成 |
研究開始時の研究の概要 |
銀河とは, 星と星間物質, 暗黒物質の巨大な塊であり, 宇宙の姿を形作る基本単位である. 宇宙誕生当時のほぼ一様な物質分布から,わずかに高密度の領域が重力によって成長し現在の銀河へと進化した. 銀河進化は銀河の内部の物理のみならず環境にも依存する極めて複雑な過程である. 本研究では, 銀河形成・進化をデータ科学の最新手法である位相的データ解析(TDA)によって定量化する. 銀河進化は多様体学習によって記述方程式を構築し, 構造形成から銀河進化への過程はパーシステントホモロジーを用いた定量化を試みる. 構造形成, 銀河形成進化を統一し, これを第一原理から再構成することを最終目標とする.
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研究実績の概要 |
銀河とは, 星と星間物質, 暗黒物質の巨大な塊(100万-1兆太陽質量)であり, 可視光線での宇宙の姿を形作る基本単位である. 宇宙誕生当時, 物質の分布はほぼ一様で, 平均よりわずかに高密度の領域が重力によって成長し, 合体成長とガスからの星形成を経て現在の銀河へと進化した. 銀河進化は銀河の内部の物理のみならず置かれた環境にも強く依存する極めて複雑な過程である. 本研究は, 130数億年にわたる銀河の形成・進化という複雑な物理現象を, これまでの宇宙物理学の方法とはまったく異なる, データ科学の最新手法である位相的データ解析(topological data analysis: TDA)に基づくアプローチによって新たな角度から定量化することを目的とする. 本研究提案2年目の2022年度は研究実施計画に則り, 銀河の多波長データがなす高次元空間において銀河進化が形作る銀河多様体を定量化すること, そして銀河分布の大規模構造をTDAの中心的方法であるパーシステントホモロジーによって表現することを目標としていた. パー氏ステントホモロジーによる宇宙のバリオン音響振動検出についての研究成果を2022年度に投稿した(2023年度初旬に受理決定). また銀河多様体の定量化は第1論文を投稿し, 好意的レフェリーレポートを受け取っている. 2021年度に投稿した高次元小サンプルサイズデータの統計によって星間物質の特徴づけを行う研究は, 難解な解析を含むためレフェリーとの議論を引き続き進めているが, 第2レポートが返ってきており, 受理に向けて好感触を得ている. 観測の難しい宇宙磁場データの再構成法の論文も2022年度中に受理が決定している(出版済み).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画では銀河の多波長データがなす高次元空間において銀河進化が形作る銀河多様体を定量化すること, そして銀河分布の大規模構造をTDAの中心的方法であるパーシステントホモロジーによって表現することを目標としている. これらについては顕著な初期成果を出すことができ, それぞれ第1レフェリーレポート, および出版決定の運びとなっている. 高次元小サンプルサイズデータの統計によって星間物質の特徴づけを行う研究, は引き続きレフェリーとの議論が続いているが, 受理に向けて大きく前進している. 観測の難しい宇宙磁場データの再構成法の論文は2022年度中に受理された(電子版出版済み). 順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
順調な進捗であり, 登校中の論文の速やかな受理と第2, 第3論文の執筆を進めたい.
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