研究課題
基盤研究(B)
本研究では、銀河団を構成する銀河の活動銀河核からのジェットが、どのように磁場や宇宙線電子を銀河団に含まれる高温プラズマガスに供給し、そしてどのようにガスを加熱しているのかを明らかにすることで、銀河団の進化や宇宙の磁場進化に残された謎を解明することを目的とする。そのために、代表的な3つの銀河団を世界最新鋭の長波長電波望遠鏡(MeerKAT, GMRT, EAVN)などを使って観測し、解析する。本研究は若手研究者の育成を含めた電波の将来計画(SKA計画等)に向けた準備研究に位置づけられ、X線の将来計画と強いシナジーを生み出す。
本研究では銀河団と活動銀河中心核(AGN)ジェットとの相互作用に新たな知見を得るために、最新鋭の長波長電波望遠鏡によって特徴的な銀河団を高精細に観測した。結果、11件の欧文査読論文と1件の修士論文が出版された。Abell 3376では銀河団磁場が電波ジェットを折り曲げること、別のジェットは複雑な構造の電波レリックに接続していること、CIZA 1359では衝突前期銀河団の連結領域で広がった電波放射を発見し、それがX線で見つかった衝撃波面と位置が一致すること、Phoenix銀河団では驚くほどAGNが電波で暗いこと、Abell 1060では未分類の広がった電波放射を発見したこと、などが成果である。
本研究は宇宙で最大の天体である銀河団の形成と進化に、銀河中心のブラックホールからのジェットと呼ばれる高速な物質流がどのような影響を与えるのかについて理解を深めました。そのための研究に向いている波長の長い電波の観測を行い、様々な銀河団について新たな知見を得ました。本研究で得られた成果は、私達の宇宙がどのように形作られてきたかという問いに対して、ジェットの寄与、そしてその寄与の仕方が大変重要であるということを教えてくれました。
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すべて 国際共同研究 (10件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 5件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (28件) (うち国際学会 11件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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