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専用装置による小天体衝突過程重力依存性の実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21H01148
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分17010:宇宙惑星科学関連
研究機関神戸大学

研究代表者

中村 昭子  神戸大学, 理学研究科, 准教授 (40260012)

研究分担者 和田 浩二  千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 主席研究員 (10396856)
長谷川 直  国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 主任研究開発員 (10399553)
岡本 尚也  千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 研究員 (80756130)
木内 真人  立命館大学, 理工学部, 助教 (90896698)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
キーワード天体衝突 / クレーター / 小天体 / 微小重力 / レゴリス
研究開始時の研究の概要

微小重力小天体の衝突過程を実証的に理解するための、専用の低重力斜め衝突実験システムを最小限の規模で開発する。このシステムを用いて、粉体標的に対する斜め衝突クレーター実験を行い、衝突クレーターの大きさなど基本的な観測量を測定する。宇宙科学研究所の共同利用実験として行う低重力垂直衝突実験結果と比較することで、クレーター形成過程の天体重力依存性に対する衝突角度の効果を明らかにする。

研究実績の概要

前年度導入した縦型真空チャンバーの周りに設置したアルミフレームからなる足場を調整した。足場は、砂などの粉体試料容器落下システムの組み立てをチャンバー内で行う際に必要となるほか、実験時にも火薬や弾丸、粉体標的のセットのために用いる。観察窓のある2方向の足場はその方向からの観察が必要な場合には取り外しが可能になるようにした。
今年度購入したメカニカルブースターポンプを用いて、チャンバー内を高速に数Paまで減圧できることを確認した。火薬銃の点火装置が、外部トリガー信号により作動するように改良し、その動作チェックを行った。申請者らが開発した宇宙科学研究所縦型銃用の落下装置をもとにして、本研究のチャンバー内で組み立て可能なレールとアルミフレームを用いた粉体試料容器落下システムを検討した。
宇宙科学研究所の縦型銃を用いて行ってきた模擬低重力での粉体試料への垂直衝突実験の結果をまとめた。試料粉体の平行平板せん断試験のデータ点を増やし、試料粉体の固着力の値を更新した。模擬低重力場での高速度衝突によるクレーターサイズの重力依存性は、遠心加速機を用いた高重力で求められた重力依存性と整合的であること、粉体の固着力のクレーターサイズへの影響、および既存の数値シミュレーションとの比較結果について議論した内容を論文としてまとめ、国際誌に投稿した。クレーター深さとクレーター形状の時間変化に着目し、垂直衝突クレーター形成過程の断面をその場観察する実験を開始し予備的なデータを取得した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前年度の資材入荷の遅れのために、真空チャンバーの製作が遅れてしまったため、チャンバー周りの足場の調整を今年度に行うこととなった。

今後の研究の推進方策

本年度の計画は以下のとおりである。
(1)弾丸射出部の開発と試験:火薬銃の整備を行う。主チャンバーに入る火薬ガスを減らすためにサブチャンバーを用意し、サブチャンバーとサボストッパー部の間のガスの経路を設ける。弾丸がメインチャンバー内で標的に衝突する瞬間前後を高速度カメラで撮影して弾丸速度を決定する。火薬量を変えて弾丸速度の調整を行い、点火と弾丸衝突の時間間隔の測定も行う。次に、サボストッパーの試験と開発を行う。火薬銃の銃口の先に弾丸通過用の穴の開いたサボストッパーを置き、その位置と穴直径を変化させて弾丸からサボを分離し、弾丸のみをメインチャンバーに導入するための試験と調整を行う。
(2)容器落下システムの調整:チャンバー内に組み立てたフレームに沿って設置したガイドレールに沿って標的である粉体を入れた容器を落下させる。標的への弾丸衝突のタイミングおよび、容器の落下加速度の安定化のためのレールおよびフレームの調整を行う。
(3)垂直衝突実験:宇宙科学研究所の縦型銃を用いて前年度から開始した垂直衝突クレーター形成過程の断面をその場観察する実験を行う。特に、クレーター深さとクレーター形状の時間変化に着目し、数値シミュレーションとの比較が可能となるデータを収集する。垂直衝突クレーターの重力依存性に関する投稿中の論文の査読対応を行う。

報告書

(2件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Spectral Evolution of Dark Asteroid Surfaces Induced by Space Weathering over a Decade2022

    • 著者名/発表者名
      Hasegawa, S., DeMeo, F. E., Marsset, M., Bus, S. J., Hanus, J., Hanayama, H., Horiuchi, T., Takir, D., Avdellidou, C., Delbo, M., Jehin, E., Ferrais, M., Geem, J., Im, M., Seo, J., Bach, Y. P., Jin, S., Ishiguro, M., Kuroda, D., Binzel, R. P., Nakamura, A. M, Yang, B. and Vernazza, P.
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal Letters

      巻: 939 号: 1 ページ: L9-L9

    • DOI

      10.3847/2041-8213/ac92e4

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] The Appearance of a “Fresh” Surface on 596 Scheila as a Consequence of the 2010 Impact Event2022

    • 著者名/発表者名
      Hasegawa Sunao、Marsset Michael、DeMeo Francesca E.、Bus Schelte J.、Ishiguro Masateru、Kuroda Daisuke、Binzel Richard P.、Hanus Josef、Nakamura Akiko M.、Yang Bin、Vernazza Pierre
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal Letters

      巻: 924 号: 1 ページ: L9-L9

    • DOI

      10.3847/2041-8213/ac415a

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 低重力下での高速度クレーター形成実験2023

    • 著者名/発表者名
      木内真人,岡本尚也,長足 友哉,山口 祐香理, 中村 昭子
    • 学会等名
      令和4年度宇宙科学に関する室内実験シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] クォータースペース法による低重力下でのクレーター形成過程の観察2022

    • 著者名/発表者名
      木内 真人, 岡本 尚也, 長足 友哉, 山口 祐香理,長谷川 直,中村 昭子
    • 学会等名
      日本惑星科学会2022年秋季講演会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] High-velocity impact experiments in reduced gravity: The effect of cohesive strength of particle layers2021

    • 著者名/発表者名
      Masato Kiuchi, Takaya Okamoto, Yuuya Nagaashi, Sunao Hasegawa, Akiko Nakamura
    • 学会等名
      Japan Geoscience Union Meeting 2021 (online)
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 模擬低重力下での高速度衝突クレーター形成実験Ⅱ2021

    • 著者名/発表者名
      木内真人, 岡本尚也, 長足友哉, 長谷川直, 中村昭子
    • 学会等名
      天体の衝突物理の解明 (XVII) ~小天体進化における圧密過程の役割~ (オンライン)
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 塵・レゴリス模擬物の圧密実験2021

    • 著者名/発表者名
      中村昭子
    • 学会等名
      天体の衝突物理の解明 (XVII) ~小天体進化における圧密過程の役割~ (オンライン)
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2023-12-25  

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