研究課題/領域番号 |
21H01163
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 日本大学 (2022-2023) 国立研究開発法人防災科学技術研究所 (2021) |
研究代表者 |
三隅 良平 日本大学, 文理学部, 教授 (20414401)
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研究分担者 |
橋本 明弘 気象庁気象研究所, 気象予報研究部, 室長 (20462525)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
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キーワード | 降水システム / 雲物理 / 暖かい雨 / 雲粒 / 降水 / 数値予報 / エアロゾル・雲相互作用 / 降水過程 |
研究開始時の研究の概要 |
雨が降るメカニズムには「暖かい雨」と「冷たい雨」とがある。前者は雲粒が互いに併合して雨滴へと成長するものであり、後者は氷粒子が昇華成長し融解して雨滴となるものである。 東京のような大都市では、凝結核が豊富にあるため、粒径の小さな雲粒が多数形成されやすく、「暖かい雨」は起こりにくいと考えられてきた。ところが近年、東京周辺でも暖かい雨が報告されるようになってきた。 そのメカニズムを解明し、降水予報精度を向上させるため、東京スカイツリーを利用した雲粒・雨滴の詳細な観測を行うとともに、得られた結果を数値予報モデルに反映させ、数値予報の向上を図る。
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研究成果の概要 |
都市域ではエアロゾル粒子が多く、「暖かい雨」による降水形成が起こりにくいと考えられてきた。にもかかわらず、東京周辺ではしばしば暖かい雨が観測される。そのメカニズムを、Kaバンドレーダや雲粒スペクトロメータ等を用いた観測、および数値シミュレーションで調べた。その結果、雲粒数濃度が1200個/cm3未満の場合は、雲粒の凝結過程によって併合成長可能な小雨滴が形成され、落下しながら他の雲粒を併合して雨滴を形成することが分かった。また気象庁非静力学モデルに、観測に基づく雲粒粒径分布を導入することにより、雲水から雨への自己変換率が高まり、暖かい雨の予報に大きな影響を及ぼすことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
東京上空におけるエアロゾル、雲凝結核、雲粒の数濃度のデータが学術論文を通して公表され、気象モデルの基礎となるデータが提供された。また、東京で起こる「暖かい雨」のメカニズムが明らかになり、この成果を通して「雨滴がどのようにして形成されるのか」について概念モデルが構築された。さらに雲粒粒径分布の仮定が、暖かい層状性降水の予報に影響を及ぼすことが分かり、数値予報モデルの高度化の方向性が示された。
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