研究課題/領域番号 |
21H01167
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐竹 健治 東京大学, 地震研究所, 教授 (20178685)
|
研究分担者 |
中村 衛 琉球大学, 理学部, 教授 (60295293)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2021年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
|
キーワード | 地震 / 琉球海溝 / 地殻変動 / サンゴ / マイクロアトール / サンゴマイクロアトール / 海水準変動 / 石垣島 / 与那国島 |
研究開始時の研究の概要 |
琉球海溝では大地震の発生が歴史的には知られていないが,時間スケールが数千年~十万年の地形学データと数年~数十年程度の地球物理学観測データのギャップを埋めるべく,サンゴのマイクロアトールの形状測定や年輪分析とから,過去数百年~数千年の海水面変動を年単位で復元する.気候変動や沖縄トラフ拡大の時間変化などの影響を検討した上で,海面変化を説明できるプレート間地震の断層モデルを構築する.さらに,それに基づいた津波シミュレーションを実施,南西諸島沿岸における津波の高さを推定し,巨礫を含む津波堆積物データと比較・検討する.
|
研究実績の概要 |
2021年に石垣島名蔵で採取した化石マイクロアトール8個体について、年代測定を行い、過去の海面変動を推定した。過去の海面変動変化から、気候変動と地震による地殻変動によるものを分離する方法を検討した。その結果、地殻変動の可能性がある急激な海面変化が5~4千年前及び3~2千年前に集中していることが明らかになり、巨大地震のスーパーサイクルの可能性があることがわかった。 2018年までに八重山諸島(宮古島、伊良部島、石垣島、西表島、波照間島)で採取した現生のマイクロアトールに基づく20世紀の海面変動曲線及びそれがスロー地震と関連している可能性について、論文として出版した。 地形学的に見た隆起速度と測地学的に見た与那国島の隆起速度の矛盾を解決するため、与那国島内でサンゴマイクロアトールの形状を計測し、最近数十年間の上下変動を調べた。その結果、島内の現生マイクロアトールはいずれも頂面がほぼフラットであり、周辺部で高さが緩やかに低くなるハット型の形状をしていることが明らかになった。マイクロアトールの形状から、与那国島は最近約10 cm隆起したと推定した。隆起の開始時期は、与那国島直下で発生したアフタースリップの開始時期(2002年)に近い。また、隆起する以前の上下地殻変動は小さかった可能性がある。これらのことから、与那国島で測地学的に観測された大きな隆起速度の要因として、アフタースリップが関与している可能性がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
過去の海水準変動曲線を構築したが、気候変動的な要因と地殻変動的な要因とを分離するのが困難であったことから、研究のまとめが予定通りできなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度までの予定であった研究期間を2024年度まで延長し、研究のまとめ・論文投稿を行う。
|