研究課題/領域番号 |
21H01178
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
川本 竜彦 静岡大学, 理学部, 教授 (00303800)
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研究分担者 |
市山 祐司 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (90625469)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
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キーワード | 海水 / マントル / 水岩石相互作用 / 流体包有物 / 高温高圧実験 / 熱力学計算 / カンラン石 / アンティゴライト / ディオプサイド / 炭酸塩 / 二酸化炭素の地中貯留 / 蛇紋岩 / 塩濃度 / 沈み込み帯 / 二酸化炭素 / 水熱合成実験 / リュウグウ / ハヤブサ2 / 塩水 / オフィオライト / 蛇紋岩海山 / カルサイト / マイクロサーモメトリー / 均質化温度 |
研究開始時の研究の概要 |
海洋プレートの沈み込みにともない海水起源の塩水がマントルカンラン岩を水和しマグマをつくる。塩水は真水と比べて炭酸塩イオンを大量に溶存するので、マントルの含水化とともに炭酸塩化も起こす。本研究課題では、蛇紋岩にともなう炭酸塩鉱物中に含まれる流体包有物の化学分析を行い、沈み込み帯流体の化学組成を理解し、カンラン岩の蛇紋岩化・炭酸塩化の再現実験を行い、マントルと塩水流体の化学反応過程を解明する。
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研究成果の概要 |
プレートの沈み込みによる海水の供給によって島弧マントルは含水化とともに炭酸塩化するのではないだろうか。本研究では、海水起源流体とマントルウェッジの相互作用による水和と炭酸塩化を(1)蛇紋岩中の炭酸塩に含まれる流体包有物の化学組成と、(2)カンラン石または蛇紋石と単斜輝石と水-二酸化炭素の混合流体とを反応させる高温高圧実験を行った。その結果、(1)マリアナ海溝の蛇紋岩海山の泥に含まれるカルサイトには海水に似た塩水が含まれる。(2)180MPaにおいて、350-400℃ではタルク、マグネサイトとドロマイトが安定で、300℃ではマグネサイト、石英とドロマイトが安定であると解釈した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地表の海域は文字通り海水に覆われている。海水自身は地球内部から火山活動などによって出てきた水に、地球表層の岩石の塩類が溶け込んだものである。その海水がプレートを水和、炭酸塩化して、海溝から沈み込むことによって地球内部に海水を戻していると提案する。これまでにも岩石の希ガスの同位体存在度などに基づいて、海水がマントルに沈み込んでいると考える研究者はいた (Holland and Ballentine, 2006, Nature) が、海水起源流体とマントルウェッジの相互作用による水和と炭酸塩化を流体包有物に基づいて研究する例はなかった。
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