研究課題/領域番号 |
21H01197
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 東京工業大学 (2023) 筑波大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
原田 真理子 東京工業大学, 理学院, 研究員 (80833631)
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研究分担者 |
延 優 (NOBUMASARU・KONISHI) 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究開発プログラム), 主任研究員 (40805644)
野村 暢彦 筑波大学, 生命環境系, 教授 (60292520)
植田 宏昭 筑波大学, 生命環境系, 教授 (70344869)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | シアノバクテリア / バイオフィルム / 進化 / 多細胞 / 生物地球化学循環 |
研究開始時の研究の概要 |
シアノバクテリアは30~25億年前に地球上に出現して以来、地球環境中の主要元素(酸素、炭素、窒素)の循環に重要な役割を担ってきた。シアノバクテリアの形態は非常に多様であり、その進化、特に多細胞性の獲得は、代謝や増殖率などの特性を変化させ、生物地球化学循環に大きく影響したはずである。本研究は、最新の集団微生物学の知見と実験技術を地球科学(古生物学・古気候学・古環境学)に展開し、シアノバクテリアがいつ、どのように多細胞性を獲得し、生物地球化学循環を変化させたかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的はシアノバクテリアのバイオフィルム形成の起源と進化を明らかにし、その地球環境史との相互作用を議論することである。本年度は、シアノバクテリアのバイオフィルム形成にする関連する遺伝子群の調査と配列情報の収集を行い、分子系統解析に用いる配列データベースの構築を行った。また、最終年度予定している過去の気候変動との比較について、気候モデルを用いた数値実験を開始した。モデルを過去に適用するための数値実験を行い、地質記録との比較から妥当性を検証した。今後は構築したデータベースを用いて、シアノバクテリアにおける細胞外多糖(exopolysaccharide; EPS)合成系の分布や進化系統を明らかにする分子系統解析を行う。また、それぞれのEPS合成系がシアノバクテリアの細胞集合体の形成やストレス耐性に与える影響について議論する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シアノアバクテリア約280種について全ゲノムを収集し、その系統関係の解析、およびタンパク質へと転写・翻訳される可能性のあるDNA配列であるオープンリーディングフレームを抽出したデータベースの作成が完了した。これにより、次年度以降、バイオフィルム形成にする関連する遺伝子群の進化系統を解析する準備が整った。また、気候モデルに過去の境界条件を与えた数値実験を行い、地質記録と整合的な結果が得られることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
シアノバクテリアの細胞集合体の重要な構成要素である細胞外多糖(exopolysaccharide; EPS)に着目し、解析を行う。シアノバクテリアには複数のEPS合成系が存在することが指摘されていることから、それぞれの関連遺伝子について、シアノバクテリアにおける分布や進化系統を明らかにする分子系統解析を行う。また、それぞれのEPS合成系がシアノバクテリアの細胞集合体の形成やストレス耐性に与える影響について、包括的な文献調査や実験から得られた情報を進化系統と比較し、環境変動との相互作用について議論する。
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